電車、バス、地下鉄を利用しトルコの一部の地域しか旅をしませんでした。その間気がついたことがあります。東西の交通や貿易の要所であり、経済や文化、歴史の中心地であるイスタンブルは別として、地方では英語が余り通じないことでした。
初代大統領のアタテュルクはアラビア文字を廃止して、公用文字としてラテン文字(Latinum)に改める文字改革を断行したのですが、こと英語については国民の間に広まっているとは思えません。このような状態はイスラム教の影響なのか、ナショナリズムの影響なのか、学校教育の課題なのかはよくわかりません。
顧みて我が国の英語の普及についてです。2011年度より新学習指導要領が全面実施され、小学校での英語教育は、5年生、6年生で年間35単位時間の「外国語活動」が必修化されました。その内容は歌、ゲームなどをとおして英語に親しむ内容です。2020年から、5年生、6年生は英語が年間70時間の正式教科になります。なお、3年生、4年生は年35時間の「外国語活動」となり、基本担任の先生が英語を教えることになっています。果たして教員は英語の指導力をつけているのでしょうか。
ラテン文字を使わない私たちと違い、トルコの人々はラテン文字を使っているのですから、もっと英語が普及してもおかしくありません。トルコも含めて多くのアジアの国々で母国語以外の外国語、たとえば英語が人々の口から自然に出てくるならば、政治も経済も科学技術も振興し、観光客も増え、「おもてなし」 も手厚くなるのではないかと思われます。