命の水

江戸時代は棒手振りが水売りの商売をしていました。やがて水道が発達し水を店で買うことはなくなりました。水はタダ、安全だと思っていました。確かに水道料は払っていました。蛇口から出る水はタダだったというのは実は間違いでした。水への考え方は、店で水を買うという行為によって大きく変わりました。もっと美味しい水を飲みたいという私たちの嗜好の変化へ移っていきました。お茶や珈琲をより美味しくいただきたいという欲求も高まりました。美味しさへの憧れは止めることができないようです。

水は万物の源です。水によって全てのものが潤います。水を巡る争いは古より今に至るまで延々と続いています。水の枯渇は世界中で取り上げられている大きな問題です。日本ではダムの建設による下流での水不足も心配されています。中東のヨルダン川の水も枯渇しそうだということが報道されています。兵庫県の平野部には沢山の灌漑用の池が点在しています。空から見るとそれを実感できます。田畑が整然と存在するのはこうした調整池のお陰です。

「命の水」とは、です。その意味は渇くことのないものということでしょうか。水は一時の渇きを潤します。やがてまた飲まなければなりません。渇くことのないもの、それは知識であったり智恵であったり、なにか目に見えない大事なことのようです。地上のものは、いわばすべて虚ろな、滅びるものです。しかし、「命の水」は豊かに人の心を満たすものです。それを私たちは追い求めています。

コメントを残す