ナンバープレートを通してのアメリカの州 その十四 オレゴン州 Oregon Trail

オレゴン州(Oregon) は太平洋に面し、北はワシントン州、南はカリフォルニア州に接しています。ここは西部開拓の歴史が色濃く残っています。合衆国を大西洋から太平洋まで拡げるという目標のために、1800年代には本格的な開拓が進み、オレゴン街道(Oregon Trail)を経て幌馬車で東部から多くの入植者がやってきました。州都はセーラム(Salem)、最も大きい町はポートランド(Portland) です。全米では珍しくオレゴン州は消費税がありません。住みよいところとして知られる理由の1つです。

Map of Oregon

ポートランドは札幌市とほぼ同じ緯度にあり、姉妹都市関係を結んでいます。肥沃な農地を抱え、周辺の農産物が集まるところでもあります。ダウンタウンですが、コロンビア川の支流ウィラメット川 (Willamette River) の川岸は公園となっています。その一角に日本人移民の歴史公園があります。そこに移民の足跡を記すレリーフが立っています。戦前、多くに日本人が移住し、漁業や林業に携わりました。レリーフには、農業と漁業で生計をたてながら子どもを教育する姿、アメリカに同化しようとした努力、大戦中の収容所での苦しい生活、そしてアメリカ人から受けた差別に対する謝罪の言葉などが彫られています。日系アメリカ人への厳しい偏見と大戦という強い背景を描いた「ヒマラヤ杉に降る雪」(Snow Falling on Cedars)という小説があります。

オレゴン州立大学

オレゴン街道を通る幌馬車隊の苦労を追体験する「オレゴン・トレイル」というコンピュータゲームも作られたのはご承知のとおりです。オレゴン州のナンバープレートはいろいろなデザインがあります。そこにはオレゴン街道- Trail-が印字されています。札幌で育った私にはオレゴン州とポートランドは懐かしい響きがあります。

アメリカ合衆国とニックネームの由来 その38 The Beaver State

北海道大学時代に札幌の姉妹都市が、オレゴン州(State of Oregon)のポートランドであることを知ったのがこの州との出会です。オレゴン州といえばオレゴン街道(Oregon Trail)も知られています。州都はセーレム(Salem) 。最大の都市はポートランド(Portland)です。

太平洋岸にそったPacific Coast Rangesとカスケード山脈(Cascade Range)の間の平野に人口の9割が住み、そこに広がるウィラメットバレー(Willamette Valley)は農業が盛んです。フランスのボルドー(Bordeaux)地方とほぼ同じように葡萄の栽培に適した平野となっています。

1840年代に「オレゴン街道」を通って多くの植民がオレゴンに入植します。オレゴン街道はミズリー州(Missouri)のインデペンデンス(Independence)から大平原(Great Plains)、ロッキー山脈(Rocky Mountains)を越える路で全長3,200キロの行程です。移住には4か月から6か月かかったといわれます。途中にはララミー砦(Fort Laramie)やサウスパス(South Pass)といった重要な通過点がありました。 幌馬車隊の組み方、野営の方法、食料や飼料の補給、インディアンとの遭遇と対応などの経験がその後の移住を助けたといわれます。

Wikipediaによると、豊かな森林はレッドウッド(red wood)、トウヒ(spruce)、ダグラスモニ(douglas fir)などで覆われています。こうした資源により、製材、パルプ、合板、家具製造などが産業の中心です。ニックネームが示唆するように森林資源とビーバー(beaver)は切り離せないようです。19世紀初頭、ビーバーの毛皮帽子がたいそう流行したことがこのニックネームにつながったとあります。オレゴン内の河川には多くのビーバーが今も生息しています。