英語あれこれ その11 ヘブル語と英語 その1

筆者の友人で先輩のお一人、Dr. Robert Jacobがいる。今はミルオーキー(Milwaukee)の郊外で整形外科の医師をしている。Jacobという姓のとおり、彼は敬虔なユダヤ教徒(Jewish)で熱心な国際ローターリークラブの会員でもある。筆者が国際ローターリクラブから奨学金を頂戴したとき、ウィスコンシン大学にやってきた留学生の面倒をみてくれた人でもある。ユダヤ系のアメリカ人と交わったのはこの時である。ロータリアンとして中南米への医療チームに参加する活動家だ。

ロータリの留学生は皆地元でホームステイを楽しんだ。筆者はDr. Jacobの家で過ごした。奥様は小学校の音楽の教師をしていた。ご家族に連れられてシナゴーグ(synagogue)に行った。ダビデの星(Star of David)や7枝に分かれたしょく台(menorah)が目についた。聖堂に入る前にヤムカ(yarmulke)という帽子をちょこんと被った。これが習慣だそうだ。丁度旧約聖書の研究会が開かれていて、皆英語で議論していた。

さて、ヘブル語(Hebrew)である。紀元前580年頃セム語(Semite)といわれた古語がカナン(Cannan)という地方にいたヘブル人によって使われはじめたとある。しかし、紀元前200年頃になるとヘブル語は日常会話としては使われなくなったが、宗教上の儀式などでは使われていた。

歴史は19世紀の中頃、エリエゼル・ベン・イェフダ(Eliezer Ben Yehuda)という人が、自宅でヘブル語を使うことを実践し、それが地域にひろまり学校でも教えることを奨励した。イスラエルの建国と共に、ヘブライ語も現代に復活する。長い間話されなくなった言語が、再び人々の日常の言語として復活した。このことは言語学的にも奇跡と言われている。
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