囲碁にまつわる言葉 その12 【筋】

平成3年になると碁老連にはいくつかの試練がやってくるようです。1つ目は、市民センターの対局が20名が限度で、会員数が30名位が限度であるという状況です。そのため会員募集をやめた同好会がでてきたことです。2つ目は2つの同好会でトラブルが生じ、規約が厳しすぎて感情的な行き違いが生じ、全員退会という憂き目にあったようです。

同年4月に開かれた「ボケ防止のための啓発囲碁大会」は大和田寿同好会が主催となります。「丁度地方議員選挙日と重なったためか12名の棄権者を数え、散々な状態だった」という会長の談話が掲載されています。「元八寿同好会主催の大会は5月5日に開かれ、会員の10名が棄権し、会員以外の参加も少なく、予想外の最悪状態となった」という述懐に似たコメントも投稿されています。主催者としては、予想外の結果になるとなんとも言えぬ気分になります。

黒が一間にとんで割り込むのが手筋

—–【筋】——–
「石の働きが能率よくムダがないように打つには、筋(すじ)に石がいかなくてはならない」といわれます。筋とは、急所のことです。形は守りの急所であるのに対して、筋は攻めの急所と言い換えることができます。碁では、味方の石同士が盤上の線を通じて、どのように連携を取っているのかを考えていきます。ということは、相手の石の連携を、どのようにして断つのかという戦術にもつながります。

味方の石同士が盤上の線で連携をとっている状況が筋です。こうしたときの着手点が「手筋」です。手筋をおおまかに分類しますと、連絡の手筋と石を取る手筋があります。「筋が悪い」とは、味方の石同士の連結が不十分な手を打つこと、相手に石の連絡を絶たれそうな着手のことを指します。手筋は英語では「 a clever move」といいます。

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