懐かしのキネマ その106 【麗しのサブリナ】

原題は【Sabrina】といいます。1954年に公開されたロマンティック・コメディです。主演のオードリー・ヘップバーン(Audrey Hepburn)は『ローマの休日』で一躍スターとなりますが、このときはまだ新進女優です。やがて人気を不動のものとしたのがこの『麗しのサブリナ』といわれています。ハンフリー・ボガート(Humphrey Bogart)やウイリアム・ホールデン(William Holden)と堂々と共演しています。

Sabrina

サブリナは、大富豪ララビー家(the Larrabee Family)のお抱え運転手のひとり娘で、ララビー家のすぐ隣りに住んでいます。ララビー家には、貿易会社を営む長男ライナス(Linus)、3度の結婚暦のあるプレイボーイの次男デイビッド(David)という兄弟がいます。サブリナは長年憧れていたデビッドの心を射止めたことに満足げな表情を浮かべていました。しかし、これはサブリナの片思いで、デイビッドはサブリナのことなど眼中にありません。

デビッドのは別の女性との恋愛が進んでいます。しかし、兄ライナスにとって、その恋は許容できるものではありませんでした。弟の結婚によって、ライナスの企業はビジネスパートナーとの合併が実現することとなっていたからです。傷ついたサブリナは排ガス自殺をしようとしますが、ライナスが助けてくれます。サブリナは心を入れ替え、自分を磨くためコードンブルー(Le Cordon Bleu)というパリで有名な料理学校へ留学して料理を学びます。

2年後にすっかり垢ぬけた美女となったサブリナは帰国します。彼女の魅力に今さら気づいたデイビッドは、サブリナをパーティに誘います。デイビッドの父は、プレイボーイの次男にかんかんで、 父とデイビッドは大げんかになります。そんな中、デビッドはパーティーで臀部を負傷、これを好機と見たライナスはサブリナに接近し、自分に気を引かせようと動き出しまします。

パーティーの裏で二人きりになると、ライナスはデビッドの代わりと言ってサブリナにキスをしました。サブリナはライナスの行為に驚きつつも、ライナスの紳士的で優しい態度に徐々に惹かれていきます。ライナスの思惑を知らず、弟のデビッドは回復するまでの間サブリナの相手をライナスに頼み、サブリナもライナスとの時間を楽しむようになります