ウィスコンシンで会った人々 その36 「アタリ、アタリ、はヘボ碁の見本」

八王子市内の小学校での囲碁教室も三週目を迎えた。全くの初心者ばかりなので石の置き方から教えている。数人の母親も参加している。九路盤を使って「石取り」、「陣取り」から始めている。黒板に自作の大盤をおいて、黒く塗った黒と白の丸い磁石を使って説明する。オセロと勘違いしているのもいるが、それはそれでよいと思っている。辛抱強く教えるほかない。

石取りでは、どうしても「アタリ」の石をうって囲もうとする。「アタリ」は取られそうな形の石のことである。囲めば相手の石がとれるが、「アタリ」になった石が逃げれば自分の石が弱くなっている。そして取ろうとした石が取られる。だから石はできるだけ二石か三石にぴんと真っ直ぐに伸びることを教える。だがなかなか言うことをきかない。この状態に似たことを表現する格言に「アタリ、アタリ、はヘボ碁の見本」というのがある。「アタリ」はできるだけ我慢して打たないに良いことが多い。「取ろう取ろうは取られのも」という囲碁の格言をこれから教えていくことにする。

石のぶつかり合いでは、上手は真っすぐ打ち、下手は「コスム」を多用しがちだ。「コスム」とは斜めに打つことである。「コスム」のほうは、後で「空き三角」とか「ダンゴ石」という美しくない形ができやすい。真っすぐには、オシ、ノビ、一間トビなどがある。一間トビでは割り込みという手があるが、概して良い形を維持することができる。安定した石になることだ。

真っ直ぐには、一間トビ、ノビ、オシがある。一間トビではワリ込みによる切断があるものの、一般的には良い形を維持することができる。子供向けの囲碁教室にとって、少しややこしくなったので次回に譲る。

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