どうも気になる その11 議員資格のこと

議員の資格と公職選挙法にはなにかしっくりしないものがある。最近、また国会議員の私的な行動が話題となり、それが週刊誌やネット上で炎上して所属する政党から除名処分を受けた。比例代表制によって当選した本人は議員を続けるようだ。

比例代表制度は、特定の政党を支持する割合を国会議員の選出に反映させようとする合理的な仕組みである。これまでの中選挙区制度は大政党には有利に働いてきた。少数政党への支持は議員の選出に反映されてこなかった。それを改めたのが小選挙区制であり比例代表制である。

比例代表制はいうまでもないが、候補者名ではなく政党名を選ぶ。各政党は事前に候補者名簿をつくり、所定の得票率にそって上位に記載された者から当選させる。復活当選するのだから、有権者には、「この人は一体誰?、」ということになる。選挙公約も聞いたことがないはずである。

そもそも国会議員は一部の人の利益を代表するのではない。「全国民を代表する」ことが建前となっている。従って当選した者は支持者、支持団体、政党に関係なく国民全体の利益を考えて活動する、というのだ。選良としての誇りや責任の自覚が要求されるのだが、このようなフレーズは死語に近くなっている。

党利党略がまかりとおり、私利私欲に走って大臣を辞任したり、議員辞職を勧告されたりする。このような者は次回の選挙では落選するはずなのだが、不思議なことに往々にして再選される。有権者の責任は大きいといわなければならない。

比例復活議員は、党が作成した名簿に掲載されていたからこそ議員になれたのである。こうした議員が、除名された場合は議員資格を失うという法改正が必要ではないか。それにしても、前経産相や前農相のような政治資金の還流、公金の隠匿など政治資金規正法違反で告発されかねない事例が多すぎやしないか。

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