懐かしのキネマ その69 【戦場に架ける橋】

この映画は、日本最北端稚内市の映画館で父親と一緒に観た記念すべき?洋画です。その後何回も観ましたが、そのたびに、稚内のことを思い出します。原題は(The Bridge on The River Kwai)といいます。タイ王国のクワイ川 (KWAI)に架かるクワイ川鉄橋を指します。第二次世界大戦の真っ直中である1943年のタイ(Thailand)とビルマ(Burma)の国境付近にある捕虜収容所が舞台です。監督はデヴィッド・リーン(David Lean)、出演はウィリアム・ホールデン (William Holden) 、アレック・ギネス (Alec Guinness) 、そして早川雪洲です。劇中で演奏される『クワイ河マーチ』(Colonel Bogey March) も世界各国で幅広く演奏され、数ある映画音楽の中でも最も親しまれている作品の1つとなっています。

Colonel Nicholson

第二次世界大戦下、当初日本の同盟国であったタイ王国と日本軍の占領下におかれたイギリスの植民地のビルマの国境付近に、日本軍管轄の「第十六捕虜収容所」がありました。所長は斉藤大佐です。この収容所では、日本軍と対峙する連合国軍のアメリカ海軍の中佐であるシアーズ(Commander, Major Shears)を始め、捕虜となったアメリカ軍兵士が連日過酷な労役に従事していました。シアーズは、日本軍兵士に買収を試みるなど幾度となく脱出を図りますが、ことごとく失敗します。ある日ニコルソン大佐(Colonel Nicholson) が率いるイギリス軍捕虜一隊が収容所に移送されてきます。

斉藤大佐はジュネーブ条約(Geneva Convention)を無視して、イギリス軍捕虜にクワイ川の橋の建設を命じます。それに断固として反対するのがニコルソン大佐です。橋を設計するのは日本軍の技師です。ところが、川の地面が柔らかく、建設途中で倒れる始末です。斉藤大佐は自尊心を捨てて、なんとかニコルソン大佐を懐柔してイギリス軍に橋の建設をまかせるのです。収容所から脱出したシアーズ中佐が、橋梁建設を報告すると、これを阻止しよとするイギリスとアメリカは、クワイ川にウォーデン中佐(Major Warden)を隊長とする決死隊を派遣します。シアーズも同行します。

斉藤大佐とニコルソン大佐

イギリス軍捕虜が見事に建設した鉄橋の開通式の日、日本軍と決死隊が遭遇し、銃撃戦となります。かつて収容所で共に時間を過ごしたシアーズが日本兵の銃弾を浴びながら、川を渡って爆破装置に向かおうとします。そこに爆破装置を見つけたニコルソンとシアーズは対峙します。ニコルソンは「自分たちは何のために橋を建設したのだ…」と愕然とします。さらに決死隊長ウォーデン(Major Warden) の迫撃砲での射撃を喰らったニコルソンは意識がもうろうとなり、点火箱のスイッチの上に倒れここみます。丁度その時、列車が橋を通過しようとします。

イギリス軍捕虜たちの勲章とも言える橋は粉々に爆破され、橋の上の日本兵や列車の乗客が犠牲になります。シアーズやニコルソンもその犠牲となります。ウォーデンは、そばにいた現地人の女性たちに、「仲間を捕虜にしないためにはこれしか手段がなかった」と言い訳するのです。丘の上から開通式を眺めていたクリプトン少佐(Major Clipton) は、爆破後の悲惨な光景を目の当たりにして「馬鹿げている。信じられない!」と天を仰ぐのです。