旅は道連れ世は情け その5 孫文と国立國父紀念館

台湾は私の好きな国の一つです。温暖な気候のせいか、人々の表情が柔和なような気がします。他のアジアの国々と比べ、街全体に清潔感があります。「中華民国」が台湾の国名です。

孫文という偉大な思想家、政治家は今も台湾でも尊敬の的になっています。国立國父紀念館に行くとそれが現れています。孫文は一般的に「孫中山」と呼ばれています。1時間毎に行われる紀念館での衛兵の交代はみものです。衛兵交代は蒋介石の顕彰施設である中正紀念堂や忠烈祠でも行われます。國父紀念館を囲むのが静かな中山公園です。

孫文が1905年に発表した中国革命の基本理念には「三民主義」と「五族共和」があります。「三民主義」とは、民族主義、民権主義、民生主義のことです。現在の台湾政府の基本理念となっています。五族共和は、漢の周辺の五族との宥和を意味します。中国革命の父、近代革命の先達ともよばれる所以です。海峡をはさんで本土と台湾の両国で尊敬されているのが孫文です。

孫文は偉大な革命家ともいわれます。国共合作やソ連との提携も実現します。モスクワ中山大学の設立も成果の一環です。この大学は日本や海外列強の植民地支配に対する独立運動と人材育成のためです。後に蒋介石は毛沢東とも手を組みます。

革命と独立に至る運動で、孫文の行動は日和見的であるという見方も一部にあったようです。原理原則の欠如といった理由で批判されるのです。ですがこうした批判は、複雑な国内事情や権力争いのゆえにやむを得なかったとする見解が一般的です。孫文の業績が偉大であったことは誰もが認めるところ、中国本土や台湾で尊敬を一心に集めるのはそのためです。

日本と孫文の関係ですが、1913年から数年間日本に亡命もします。そして欧米列強の帝国主義に対して東洋の王道とか平和の思想を説き、日中の友好を訴えたことでも知られています。

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