車社会の風景 その六 スクールバスの特徴

北米における子供の安全管理について取り組む姿から学ぶことが多くあります。とりわけスクールバス関連の安全規定は非常に厳格です。

公道上での安全優先権は高く設定されています。車体上部には赤と黄色の点滅灯があり、車体の左側には一時停止標識が設置されています。スクールバスが停車する直前、後方の車両に注意を促すために黄色いランプが点滅し、完全に停車しドアを開くと赤いランプが点滅し、一時停止標識STOPが開きます。

スクールバスの後方を走る車は黄色灯が出た時点で減速し、車線の数にかかわらず追い越しをしてはなりません。対向車も中央分離帯がない限りは同様で、スクールバスが対向車線に停まっている場合、スクールバスより先へ進んではならない規則となっています。

スクールバスは大柄な車体のために、運転手から見て乗降客や周囲の歩行者を危険にさらすような死角も多いのです。こうした状況を改善するために、設計や規格では客席窓、フロントガラス、車体、ミラーなどといったものは出来るだけ大きなものを取り付けられました。更に、スクールバスの車体はいくつかの非常口が備え付けられ、衝突や横転時にも車内を守るロールケージ構造となっています。ロールケージとは車の中を張り巡らせる鉄の柱のことです。万が一の場合でも速やかに車外へ避難できるようになっています。

スクールバスは一般の車両とは大きく違った車体ミラーの装備を有す。スクールバス設計において死角の減少は最重要課題であり、年式が新しい車両ほど窓やミラーは大きく、死角は少ない傾向にあります。他車からの視認性を高めるために、スクールバス車体後部に反射テープを貼るよう取り決めをしている州もあります。その他、バンパーに遮断機が取り付けられたスクールバスやイギリスでは、スクールバスに監視カメラやGPSのトラッキング装置が取り付けられたスクールバスもあります。