1969年公開のアメリカ映画「Midnight Cowboy」を紹介します。大都会の孤独に流される2人の男性の生き様を描いています。
男性的魅力で富と名声を手に入れようと、テキサス(Texas)からニューヨーク(New York)に出てきた皿洗いだった青年・ジョー・バック」(Joe Buck)。カウボーイスタイルに身を固めた彼は、女を引っ掛けて金を要求します。逆に金をふんだくられます。女こそ名うての娼婦です。
ジョーはスラム街に住むエンリコ・ラッツォ(Enrico Rizzo)という片足をひきずる小男に出会い、売春の斡旋人を世話してくれるという約束で10ドルを手渡しますが、斡旋人は男色を専門としていました。騙されたと知ったジョーは、エンリコを捕まえて問い詰めるのですが、既にエンリコの手には金がありません。その代わり、罪滅ぼしにエンリコは、カモ探しに協力する羽目になります。
二人はエンリコのねぐらである廃墟のビルで共同生活を始めます。ジョーとエンリコの間に奇妙な友情が芽生えます。しかし、エンリコの身は病魔に冒されていました。冬のニューヨークで暖房もない貧苦の生活。エンリコは温暖なフロリダ移住の夢を語ります。ひょんな切っ掛けからジョーの稼業がうまくいきそうになるも、エンリコの病状は次第に悪化していきます。ジョーはゲイの紳士から強奪した金で、エンリコとマイアミ行きのグレイハウンドバス(Greyhound bus)に乗ります。既に身体の自由の利かなくなっていたエンリコは、車中で小便を漏らしていきます。ジョーはバスの停車中に二人の新しい衣服を購入して、自分のカウボーイ装束とエンリコの汚れた衣服をゴミ箱にぶち込み、フロリダの明るい服装に着替えます。しかしエンリコはバスのマイアミ到着を目前に息絶えるのです。