ナンバープレートから見えるアメリカの州アリゾナ州・Grand Canyon State

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アリゾナ州(Arizona)のナンバープレートには「Grand Canyon State」(大峡谷)とあります。最近のものには、「環境を護ろう」(Protect our environment)というフレーズも入っています。アリゾナ州はニューメキシコ(New Mexico)、ユタ(Utah)、ネバダ(Nevada)、コロラド(Colorado)、カリフォルニア州(California)と隣接しています。さらに、南はメキシコと長い国境を有しています。今もナバホ(Navajo)、アパッチ(Apache)、ユマ(Yuma)などの部族の居留地が点在しています。サボテンや椰子など砂漠の風景で有名です。州の北部と中央部は松など常緑樹で覆われた高地でもあり、大渓谷の大自然が広がります。地球の裂け目といわれる標高差1.6キロの谷底は観光客を魅了しています。

州名の由来は、バスク語(Basque)で「樫の木のある場所」(place of oaks)を意味するとする学者もいれば、トホノ・オダム(パパゴ)(Tohono O’odham -Papago)インディアンの言葉で「若い、または小さな泉のある場所」(place of the young or little spring).を意味すると主張する学者もいます。

アリゾナの簡単な歴史です。1539年から1542年にかけて現在のメキシコであるヌエバ・エスパーニャ(Nueva Espana)副王領からスペイン人の探検が行われます。1539年、フランシスコ( Francesco)会宣教師マルコス・デ・ニサ(Marcos de Niza)がこの地域を探検します。1692年にはエウセビオ・キノ神父(Eusebio Francisco Kino)が訪れ、1700年に聖ザビエル伝道教会を設立しインディアンに宣教活動を行い、18世紀初期までに一連の伝道所が設置されインディアンの多くをキリスト教に改宗させます。

1821年メキシコがスペインから独立すると現在のアリゾナ地域は「ヌエバ・カリフォルニア(Nueva California)」と呼ばれるメキシコの北西辺境となります。合衆国は1848年の米墨戦争(Mexican-American War)でメキシコシティ(Mexico City)を占領し、後にアリゾナ州となった地域を含めメキシコ北部領域の大半について領有権を主張します。1861年3月にニューメキシコ準州の南部が分離してアリゾナは合衆国の準州となります。「天国に最も遠く、米国に最も近い国」という名言は米墨戦争の後の両国関係を物語ったものとされます。メキシコの政治家、ポルフェリオ・ディアス(Porfirio Diaz)による両国の地政学的位置を示す言葉です。戦争による領土喪失は、メキシコ国民の嫌米感情を抱く背景になっているといわれます。

Cactus and Arizona

アリゾナは非常に複雑な土地といわれます。サボテンとクレオソート・ブッシュ(creosote bushes)で覆われた暑い低海抜砂漠で広く知られていますが、州の半分以上は海抜1,200メートル以上の高地にあり、常緑樹のポンデローサ松(ponderosa pine)の世界最大の群生地があります。アリゾナは水のない砂漠地帯としてよく知られてはいますが、多くの大きな人工湖のおかげで、その評判からは想像できないほど多くの海岸線が広がっています。

グランド・キャニオンやペインテッド・デザート(Painted Desert)などの壮大な地形は、この地域の険しさを示す国際的なシンボルとなっています。ですが、アリゾナの環境は非常に繊細で、ニューヨークやロサンゼルスよりも多くの点で公害の脅威にさらされているといわれます。それ故に「環境を護ろう」というフレーズがナンバープレートに刻印されているようです。

州都はフェニックス(Phoenix)です。非常に暑い夏と温暖な冬として知られています。1990年6月に最高気温摂氏50度を記録したこともあるとか。フェニックスから車で北に走ること2時間。パワースポットといわれるセドーナ(Sedona)に着きます。青空を背にそびえ立つ不思議な形の赤い岩山、そこに立つ教会堂、その前を流れる渓流。数多くのハイキング・トレイルで知られています。赤い岩の山は鉄分を多く含んでいます。その独特の景観からセドーナ一帯は「レッド・ロック・カントリー」(Red Rock Country)と呼ばれています。フェニックスに来たら必ず寄っていただきたい所です。「Sedona」とはイヌイット(Inuit)神話に登場する海の女神という意味だそうです。

Sedona

私は、かつて兵庫教育大学の大学院生とフェニックスの学校を視察しました。ちょうど客員研究員として招いていたハワイ大学教授がアリゾナ州立大学で研究したことがあったので、大峡谷の南にあるセドーナを紹介してくれました。セドーナは奇観で有名な観光地です。

フェニックスの近くには、サンシティ(Sun City)と呼ばれる退職後のコミュニティ、シニアタウン(senior town)があります。冬を温暖な南部などで過ごすアメリカ北部や中西部、カナダなどの人々向けに造られた街です。これらの人々は「スノウバード」(Snowbird)と呼ばれています。

ナンバープレートを通してのアメリカの州 その七 アリゾナ州–Grand Canyon State

アリゾナ州(Arizona)はニューメキシコ(New Mexico)、ユタ(Utah)、ネバダ(Nevada)、コロラド(Colorado)、カリフォルニア州(California)と隣接しています。さらに、南はメキシコと長い国境を有しています。今もナバホ(Navajo)、アパッチ(Apache)、ユマ(Yuma)などの部族の居留地が点在しています。サボテンや椰子など砂漠の風景で有名です。州の北部と中央部は松など常緑樹で覆われた高地でもあり、大渓谷(Grand Canyon)の大自然が広がります。地球の裂け目といわれる標高差1.6キロの谷底は観光客を魅了します。

州都はフェニックス(Pheonix)です。非常に暑い夏と温暖な冬として知られています。1990年6月に最高気温摂氏50度を記録したこともあるとか。大渓谷に代表される峡谷や砂漠など、自然の造形を楽しめ、合衆国でも際立って広大な自然に恵まれたエリアです。現在は、米国ハイテク産業の一大拠点となっています。

Sedona, Arizona

フェニックスから車で北に走ること2時間。セドーナ(Sedona)に着きます。青空を背にそびえ立つ不思議な形の赤い岩山、そこに立つ教会堂、その前を流れる渓流。数多くのハイキング・トレイル。赤い岩の山は鉄分を多く含んでいます。その独特の景観からセドナ一帯は「レッド・ロック・カントリー(Red Rock Country)」と呼ばれています。フェニックスに来たら必ず寄らなければならない所です。

Sedona, Arizona

ナンバープレートには「Grand Canyon State」とあります。最近のものには、「環境を護ろう」(Protect our environment)というフレーズも入っています。