懐かしのキネマ その58  【星の王子ニューヨークへ行く】

【Coming to America】は、1988年制作のこれぞというロマンティックコメディ作品です。
アフリカの王国ザムンダ(Zamunda)は、風光明媚な自然と豊富な資源に囲まれた国です。21歳の誕生日を迎えたアキーム王子(Akeem Joffer) は、過保護な両親に育てられます。父親のジョフィ・ジャファ国王(King Jaffe)によって勝手に自分の花嫁を決められてしまうような、未だに何一つ自分で決断させてもらえません。それに不満を持つ王子は、「自分の嫁は自分で見つけたい」と伴侶探しの旅に出たいと願い出ます。国王はアキームの申し出を「結婚する前に女遊びがしたい」と解釈し、息子の希望を快諾しアメリカへ送り出します。

アキームは世話係のセミ(Semmi) を連れニューヨーク(New York) のクイーンズ (Queens)にやってきます。アキームは安アパートの一室に大満足です。なぜならこれがニューヨークだ、と大いに気に入るのです。汚いアパートを借りたアキームは早速花嫁探しで酒場などを歩きますが、なかなかええ女性を見つけられません。

Akeem & Semmi

そんな中、慈善イベントでリサ(Lisa McDowell) という女性に一目惚れします。アキームは、セミとともに彼女の父親が経営する「McDOWELL(マクドゥーウェル)」というハンバーガーショップで「アフリカからの留学生」として働くことになります。掃除の仕方、ハンバーグの焼き方を学びます。リサには父親が決めたダリル(Darryl) という金持ちで遊びや風の婚約者がいましたが、誠実なアキームに次第に惹かれていきます。

一方、ニューヨークに女遊びをするつもりでアキームについて来たセミは、貧乏生活に嫌気が差し、部屋を改装し、贅沢な生活を始めます。しかし、部屋にリサを招きたいアキームは管理人の部屋と交換し、セミの小遣いを没収します。困ったセミは「遊興費がなくなったので100万ドルを送金して欲しい」と国王に電報を打ち、怒った国王は王妃とともにニューヨークにやってきます。

セミから事情を聞いた国王と王妃はアキームがいるリサの実家を訪れ、彼女に「アキームは女遊びをするために君を選んだだけだ」と告げます。国王はリサの父親に200万ドルで手をうとうと申し出ます。ショックを受けたリサは家を飛び出し、それを知ったアキームはリサを地下鉄まで追いかけます。誤解は解けたものの、「王子とハンバーガー屋の娘では一緒にいられない」と告げられます。アキームは「王位継承権を放棄する」と地下鉄の乗客の前で宣言するのですが、リサは地下鉄を降りどこかへ走り去ります。

帰国の日、アキームの気持ちを知った王妃は、アキームとリサの結婚を認めるように国王を説得します。「我が国のしきたりだ。どうすれば変わる?」と訊く国王に対し、「あなたが国王でしょう」と答える。結婚式の日、浮かない顔のアキームが花嫁のベールを上げると正体はリサでした。結婚式が盛大に行われ2人は結婚します。