国政選挙の予測 その五 メディアの多様化

注目

 最近のいろいろな報道は放送や新聞メディアの他に、SNSといったインターネット上で人々がつながり、コミュニケーションや情報共有を行うためのプラットフォームが頻繁に使われています。インターネットの活用は今後ますます広がり、やがてインターネットでの電子投票も進むかもしれません。投票形式が多様化すると、投票率もアップすることが期待されています。しかし、電子投票に躊躇するのは、高齢者などの支持が強い与党とか一部の野党です。電子投票は家や職場から投票できるのですから、本来ならば投票所が遠い田舎に住む人々にとっては便利なはずです。ですが、これにより投票率が高まると、それを歓迎しない党があるので、未だこの方法は実現していないのです。新しいことをやりたがらないのが今の行政です。それでもインターネットの利用は今後もますます浸透するので、時代の趨勢に逆らうことは困難になるでしょう。

ポスター掲示板

 今年の都知事選挙で大いに支持を伸ばした候補者がいました。SNSを大いに駆使してそれまで浮動票といわれた若者などに支持されたといわれます。実際は、今回の国政選挙でもYoutube上での政見放送やPRが盛んに行われています。こうした手法は、今のNHKで実施されている各党の政見放送よりははるかに、視聴者が高いと思われます。紙などのチラシを配布するという方法はやがて廃れていくでしょう。候補者のポスターを貼る掲示板もやがては姿を消すはずです。ポスターでは候補者の政策が全くつたわらないのです。時代遅れな手段といえましょう。改正公職選挙法では、「政治活動、例えば新聞紙又は雑誌による広告、テレビ、ラジオ等による政治活動は、選挙運動期間中、誰でも自由に行うことができる」に加えて、「インターネット上でのすべてのメディアで政治活動を行うことができる」となりました。

選挙七つ道具

 「インターネット等を利用する方法」とは、「放送を除く電気通信の送信により、文書図画をその受信をする者が使用する通信端末機器の映像面に表示させる方法」です。改正公職選挙法第142条の3第1項にウェブサイト等を利用する方法も規定されています。具体的には、インターネットのほか、社内LANや赤外線通信などであっても、「インターネット等を利用する方法」に含まれるとされました。

 インターネット上では、各地の街頭演説の様子が映し出されています。全国の街頭演説の様子がわかるのですから実に便利な時代になりました。候補者がどんな考えで政策を訴えているのかが机上のパソコンやスマホ画面でわかるのです。このようなテクノロジーは、高齢者や僻地に住む人々に大きな恵みとなるはずです。

 選挙運動用の自動車からの候補者の連呼行為は実にうるさく、迷惑な行為です。政策などは全く語られず、ただただ候補者名を連呼するだけです。選挙事務所の看板類では、「ちょうちん1個及び立札・看板の類を通じて3個」といった笑いがでるようなことが規定されています。こうしたアナログの規制は、時代遅れです。候補者のノボリやポスターにはQRコードなどが印刷されると、その人の訴えたい政策が有権者に伝わるはずです。しかし、こうのような提案を与党などは採用しようとしません。公職選挙法を変えるのを躊躇しているのです。それには理由があります。投票率が高くなると困るからなのです。
(投稿日時 2024年10月24日)