国際卓越研究大学の認定と助成額

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認定制度によって助成される研究費は、国が創設する10兆円規模の「大学ファンド」の運用益から、最長25年間にわたり、1校あたり年間数百億円規模の資金が助成されます。実際の支給額は各大学の事業計画や企業からの研究費などの外部資金の獲得実績に応じて変動します。具体的な助成金は以下の通りです。

 第1号認定となった東北大学は、計画初年度(2025年度)の助成額は約154億円となっています。第2号認定となったのは旧東工大・医科歯科大が合併してできた東京科学大学です。東京科学大学は、2026年4月より体制強化計画を開始しています。第3号認定が決まったのが京都大学です。今年度分として約200億円が助成される見通しです。しかし、助成額は国家予算の115兆円に比べて25年間に渡る一校数百億円規模という認定大学の助成額は、まだまだ少ないと思われます。

 卓越大の「選び方」で重要なのは、各大学が助成金を使って「どう変わろうとしているかという体制強化計画に注目するのが最も本質的です。卓越大に選ばれる、あるいは候補になる大学は、これまでの古い大学構造を壊すような大胆な改革を掲げています。例えば京都大学の計画では、教授を頂点とする従来の閉鎖的な研究室という小講座を廃止し、分野横断的な研究がしやすい「デパートメント制」への移行を明言しています。「風通しの良い環境で、最先端の融合研究がしたい」という場合は、こうした組織改革の進捗が目安になります。 卓越大の認定を受けた京都大学は、卓越大としての全学ビジョンを次のように掲げています。

・自由で独創的な研究による知の創生によって、社会の多元的な課題解決と社会を変革するイノベーションの創出に貢献
・世界のアカデミアを牽引する優れた研究者とグローバルに活躍する高度な専門能力を有する人材を養成と輩出
・国際社会に開かれた総合大学として、世界から多様な人材が集う国際的な知の拠点(ハブ)を形成

 卓越大に選ばれるには、資金の多くを「優秀な若手研究者の育成」や「博士課程の学生への生活費相当の支給など経済的支援に充てる義務があります。若手研究者や院生への支援手厚さで選ばれるのです。

 卓越大は、「国際化」と「民間連携」の度合いで選ばれます。英語での講義や研究環境の構築や、海外トップ大からの研究者招致、企業との大型共同研究が爆発的に増えることになります。世界基準の環境や社会実装に直結する研究を望むなら、間違いなく有力な選択肢になります。

 この制度に選ばれた大学では、世界から優秀な研究者が集まるだけでなく、博士課程の学生に対する授業料免除や給付型奨学金の支給といったサポートが劇的に手厚くなるはずです。若手が経済的な心配をせず、世界最高水準の設備で研究に没頭できる環境が整えられることが期待されます。

 今や東北大、東京科学大、京都大などがリードしていますが、企業などから大学へ支払われる「寄付金」や「共同研究費」の管理をめぐり、過去に複数の不祥事が発生している東京大学も長期にわたる審査が続けられています。各大学の「研究等体制強化計画」は文科省や各大学のウェブサイトで公開されています。日本の大学全体の底上げではなく、「世界で勝てる数校のトップランナーを国を挙げて育てる」という、これまでになく劇的で集中した投資政策、それが国際卓越研究大学といえます。

 現在、中小の大学は、文科省から支払われる運営費交付金が年々減少傾向にあり悩んでいます。卓越大にのみ焦点があてられるのではなく、地域経済や社会と密着に結びつく地方の大学の振興も求められています。こうした大学もまた、日本学術振興会および文部科学省が交付する競争的資金である科学研究費補助の獲得に努力すべきことは当然です。

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国際卓越研究大学は世界に通用するか

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日本の学術界を大きく変えかもしれないといわれる国際卓越研究大学(卓越大- University for International Research Excellence)制度について解説します。卓越大とは、日本から世界トップレベルの研究力を発揮する大学を育てるために、国が新たに創設した研究開発支援の認定制度です

 この認定制度の背景には、近年の国際的な論文ランキングにおいて日本の大学の地位が低下しているという強い危機感があります。海外のトップ大学であるハーヴァードド大学(Harvard University)やスタンフォード大学(Stanford University)などのように、巨額の基金運用益(endowment)を研究環境や人材獲得に投資できる仕組みを日本でも作り、世界に互した研究力の好循環を生み出すことが狙いです。

 認定制度には大きく分けて、以下の3つの特徴があります。第一は、 認定する政府機関です。卓越大を最終的に認定し認可するのは文部科学省です。ただし、文科省が単独で決めるわけではなく、専門家で構成される有識者会が各大学の計画を厳格に審査し、さらに内閣府の総合科学技術・イノベーション会議への諮問や意見聴取を経て、文科大臣が正式に認定する仕組みになっています。

 認定される大学は、巨額の支援を受ける代わりに、大学には非常に高いハードルが課されます。年3%の事業規模の成長が求められます。すなわち企業からの共同研究費など外部資金の獲得や、大学独自の基金を増やすことで、経済的に自立し成長していく計画が求められます。

 次に大学には経営体制であるガバナンスの刷新が求められます。研究と経営を分離し、外部の有識者も交えた「合議制の機関」を設置してトップダウンで迅速な意思決定ができる体制に変えることが求められます。

2025年度の一般会計税収の理由

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2026年7月に発表された一般会計税収の全体的な傾向と金額の目安は以下の通りです。総税収はおよそ84兆2,226億円で前年度の約75.2兆円から大幅増となりました。さらに法人税・所得税・消費税のすべても前年度を上回る好調な結果となりました。なぜこのような過去最高の税収入の増加になったのか?大きな要因は「企業業績の好調」「物価上昇のインフレ」、「賃上げ」の三点といわれます。

 まず法人税の伸びですが、企業業績の好調があります。歴史的な円安の継続や、企業の価格転嫁が進んだこと、さらに訪日外国人の需要の回復などが追い風となり、自動車産業や観光業、大手企業を中心に過去最高水準の純利益を記録する企業が相次ぎました。これにより、企業が納める法人税が大きく上振れしました。

 次に消費税の伸びです。物価の上昇にともない、商品の小売価格やサービス価格が全体的に底上げされました。消費税は「商品の価格×税率」で計算されるため、物価が上がればそれだけ税収も増えます。また、訪日外国人による国内での旺盛な消費行動も消費税収を押し上げる要因となりました。

 賃上げと所得税の伸びの関係です。人手不足や物価高への対抗策として、多くの企業で高水準のベースアップやボーナスの増額が実施されました。働く人の給与の額面である名目賃金が上がったことで、個人の所得に対して課される所得税の総額が増加しました。

 このように税収は過去最高を更新し続けていますが、高齢化に伴う社会保障費や防衛費などの歳出も膨らみ続けているため、これだけの税収があっても不足しています。その一つの理由は、一般歳出のうちの債務償還費や利払い費などの国債費が約28兆円となっていているからです。そのため、依然として約30兆円規模の新規国債を発行して穴埋めしている状態が続いています。60年償還ルールというのがあるせいです。本来ならば、借換国債で政府の借金を帳消しにすべきなのですが、、、

 政府と日本銀行をあわせた組織は、統合政府と呼ばれています。統合政府は、膨大な金融資産などを保有しています。政府が発行する国債ー借金の総額は近年では約1,340兆円規模に上ると報じられています。ただ、政府の借金である国債を日銀が買い取っているため、両方の借金と資産を合算し相殺して、本当の国の借金状態を把握するのが大事なのです。単に政府の借金だけを喧伝するのは国民に大いなる誤解を与えます。

 財務省などが発表する「国民1人あたり1000万円以上の借金」という数字は、この相殺を行っていない単純な合計額です。財政破綻への懸念: 統合政府のバランスシートで国全体の財務状況を評価すると、保有資産も大きいため日本はすぐに財政破綻するわけではないのです。

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2025年度の一般会計税収の発表から考える

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2026年7月3日に2025年度の国の一般会計歳入の決算速報が発表されました。かつて2025年12月5日にこのブログで「税収入の仕組みと税収弾性値」という原稿をアップしました。そのとき話題にしたのは「税収弾性値」というテーマです。税収弾性値とは、経済成長に対する税収の伸び率を表す指標です。具体的には、名目GDP成長率が1%増加したときに、税収が何%増加するかを示す数値です。この値が高いほど、経済成長に連動して税収が増加する効果が大きいことを意味し、財政再建に有利だとされます。

財務省のホームページから引用

 財務省はこれまで、税収弾性値を低く「1.1」と見積もって「経済成長しても税収は伸びない」と主張し、増税の根拠にしてきました。しかし柳ヶ瀬氏はこれを問題視し、国会での質疑や、参議院に提出した 質問主意書を通じて政府に迫りました。結果として、政府は過去10年間(平成22年度〜令和元年度)の平均税収弾性値が「3.23」になることを、質問主意書への答弁書で認めざるを得なくなりました。このことから、経済成長によって国の税収は政府が想定する以上に大きく増えることが明らかになっています。 

 長年、財務省が税収弾性値「1.1」という数値を使って、税収入を予測してきました。税収弾性値を低く設定しておけば、「社会保障の自然増分を稼ぎ出す成長を期待することも難しい、従って増税する必要が生まれる」という説明です。社会保障費の必要性を十分喧伝しておけば、後は自ずと「増税するしか無い!」という結論が導かれることとなるのです。これが財務省が「1.1」を捨てなかった理由です。この財務省の実に狡猾な方針は柳ヶ瀬議員によって見事に看破されました。

 さて、2025年度の総税収は、当初の見通しを大きく上回るおよそ84兆2,226億円となり、6年連続で過去最高を更新、初めて80兆円の大台を突破しました。主要3税である法人税、所得税、消費税の概要と、そうなった背景や理由は次稿で説明します。

 

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政策金利上昇のチャンスを捉えるーープラスの恩恵

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日本銀行は2026年6月16日に、31年振りに政策金利を0.75%から1%に引き上げました。それに伴い三菱UFJ銀行など三社のメガバンクは普通預金の利息を0.3%から0.4%へ引き上げました。かつての0.001%という超低利の時代は去りました。2024年初頭の0.001%の時代と比較すると400倍の水準です。100万円を預け入れた場合、1年間で受け取れる利息は税引前で 4,000円となります。

 普通預金が0.4%に底上げされるため、定期預金金利、特に1年以上のものは、それを上回る水準で1年もので0.4%台後半〜0.5%超、長期のものは1%の大台へ展開するという見通しです。従って持っている普通預金の一部を定期預金などに移すのは理にかなっています。

楽天カードから引用

 なぜ日銀は政策金利を上げる決定をしたかです。金利というのは物価を調整する役割を持つといわれます。金利が上がると消費は下がります。企業は資金を借りるのを渋り設備投資を控えるのです。金利が下がると、その逆の現象となり銀行などから融資を受け、設備投資が促され消費者の需要が上がります。

 今回、日銀が政策金利を上げたのは、中東での戦争、ウクライナ情勢による原油価格の上昇とそれに伴う急激な原材料価格の上昇、円安に伴う輸入コストの上昇、食料品価格の上昇が大きくなる事を懸念したことです。金利上昇でモノやサービスの需要が減れば人件費上昇に歯止めがかかり、インフレの抑制につながります。今回の金利の引き上げは、インフレが暖まってきたので、急激な物価上昇のショックを少なくするためにとった決定だといわれます。ただ日銀は、経済活動の過熱を抑え、インフレ率を2%に安定させることを目指しています。

 政策金利の引き上げは銀行が顧客に払う預金金利の上昇につながります。年金などの運用利回りが上昇し利息収入も増えることで、金融資産を持つ家計にはプラスの恩恵がありそうです。

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