IEPはどうなっているか その15 Santa Clara市学校区の教育心理的サービスに関する報告書 その2 生徒の移行サービス計画

アメリカ個別障害者法(IDEA)によれば、障がい児教育における保護者の権利は、子どもが成人に達したときには、子どもに移るということが規定されている。カリフォルニア州では18歳に達した生徒は成人として認められる。同時に選挙権が与えられる。喫煙は許されるが、飲酒は21歳以上となっている。

生徒がIEPカンファレンスで移行計画の有資格者であると認められ、インフォームドコンセントが必要とあれば、全ての保護者の権利が生徒に適用される。これには、留意すべきこととか同カンファレンスへの参加、インフォームドコンセントと手続上での保護者の同意を含んでいる。以下、生徒の移行サービスのその2である。

1.通常のカリキュラムでの支援と標準テストの提供
通常カリキュラムでの支援であるが、生徒の通常カリキュラム内における活動を増やしてほしいという要求に関する修正案を明細に記述する。ここでは、プログラムの修正、職員、設備による支援、計画案やサービスの修正を行う。こうした配慮すべき修正案は、生徒の読み障がいや計算障がいに直接関連しているので、そうした指導では通常のカリキュラムベースで行われる。

以下は、修正の際に配慮される例である。
・Jamesは、リソースルームにおいてテストを行う。
・Carolは、計算機を使って計算をする。
・テスト問題に答える際、口頭で答えることが許される。
・Annは、指導中、聴覚訓練士の支援を得て、指導を受ける。
・ 口頭によって直接解釈することを許される。
・注意を集中させるために席を選択する。
・テストや課題に関する時間の延長
・生徒は点字によって応答することができる。
・コミュニケーションシステムは、口頭による参加の場で用いられる。
・ 小グループによる指導を提供する。
・場面における行動管理システムを提供する
・カリキュラムは認知レベルに応じて適用される。

○家庭生活場面における教育:
生徒が家庭生活において指導を受ける場面についてチェックすること。さらに生徒によっては、通常教育と障がい児教育の両方の指導を受けることもある。

○学業に関するスタンフォードビネー知能検査など:
a 生徒の学年レベルを検査する上で実施すべきテストを決定する。
b 生徒が検査に参加するのか、あるいはアセスメントを免除されるかどうかを記述する。もし生徒が免除されるならばその理由を記載する。
c 必要とされる配慮が一般的なものであるかどうかの情報を活用すること。
例:「生徒はその学年レベルのテストに加えて、幾つかの郡が指定するテストを受けること」
もし、生徒がいくつかの郡のテストを免除されるのであれば、その理由も記載する。

2.卒業移行IEPの作成
IEPに関するこの様式40-25aは、1998年に卒業する全障がい児のためにまとめられたものである。IEPでは、それまで生徒に提供されてきた移行サービスを要約している。場合によっては、さらに生徒が必要としている目標とサービスについて計画することが要求される。職業リソースに関する教師は、今後必要とするサービスを決定するために有益な情報を提供することとする。

様式40-05を活用し、IEPカンファレンス について保護者と生徒に通知する。もし、生徒がカンファレンスに出席しないならば、事前に生徒の情報を入手しなければならない。生徒の卒業移行に関係する親権代理人にもまた、カンファレンスに出席するよう勧告しなければならない。カンファレンスでは次のことを確認する。

○ 確認したものを文書化すると同時に、他の関連する教育情報についてもまとめること。
○ あらかじめ実施されてきたIEPを活用し、生徒の移行サービスと親権代理人の参加について記述すること。
○ 教育、職業、社会生活領域の目標を示すこと。
○ 計画した移行サービスの計画について要約すること。
○ もし、その生徒と保護者がサービスを受け続けることを望まないのであれば報告書にチェックすること。
○ IEPカンファレンスに出席する参加者は、その様式にサインすること。
○ 全ての参加者に文書で通知すること。

【筆者のコメント】
非常に細かい規定が、生徒の職業教育への移行に際して担当する行政に課せられていることがわかる。こうした文書は、保護者と生徒の権利を擁護するものとなる。保護者は、どのようなサービスを求めることができるかが規定によってわかる。それにより子どもの将来に向け、就労に向けて展望を持つことができる。

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