どうも気になる その6 「マクロ経済スライド」

新しい用語やフレーズが日々登場する。最近目にするのが 「マクロ経済スライド」である。この用語は決して新しいものではないのだが、、、「マクロ経済スライド」とは、そのときの現役人口の減少や平均余命の伸びに合わせて、年金の給付水準を自動的に調整する仕組みである。2004年に年金法の改正で使われたそうだ。

「マクロ経済スライド」の定義はさておき、次のような例で考えるとわかりやすい。

八王子が大災害に見舞われ、近くの市民センターで炊き出しが始まる。筆者も大勢の被災者の列に並んで、二個のおにぎりをもらおうと待っていた。大きな釜のご飯を割烹着を着たおばさん達がせっせと握っている。やがて、あまりにも列が長くなるのをみた職員がおばさんに「ご飯が足りなくなるのでおむすびを小さくするように」と指示した。

このようにおにぎりを小さくするのが「マクロ経済スライド」というのだそうだ。長くなっていく列に並ぶのが年金受給者、釜のご飯が年金財源というわけだ。ご飯を足せばよいのだが、少子化も手伝って年金制度を支える現役世代が少しずつ減っていて足すすべがない。

これまで年金支給額は、物価の上昇によって調整されてきた。物価が2%上昇すれば、年金も2%上昇するという仕組みであった。これでは財源が底をつく心配があるようだ。年金の財源で株や海外への投資によって財源を増やそうとはしているが、それでも追いつかないといわれる。

そこで自衛手段を考える。齢を重ねると胃袋は小さくなる。胃袋を小さくして、小さなおにぎり二個でも満腹になるように心掛ける。酒の量も減らす。外食はシニア割引の店を選ぶ。理髪も800円のところを選ぶ。そうすれば、2%の物価上昇であっても、1.3%の「マクロ経済スライド」によって年金が毎年0.2%上昇することで満足できるのではないか。政府はシニア割引をあらゆるビジネスで増やすことを業界に提案して欲しい。

国会議員の歳費も「マクロ経済スライド」によって決めて貰いたいものだ。

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