原題は【One Flew Over the Cuckoo’s Nest】といいます。この題名の意味は少し勉強しないと理解できそうにありません。荒筋を紹介することにします。主人公のマクマーフィー(Patrick McMurphy)は刑務所の重労働から逃れるために、偽って精神病院に入院してきます。向精神薬を飲んだふりをしてごまかし、ラチッド婦長(Mildred Ratched)の定めた病棟のルールに次々と反抗していきます。グループセラピー(group therapy) などをやめてテレビでワールドシリーズを観たいと主張し、他の患者たちに多数決を取ったりなどします。最初は患者たちは決められた生活を望むのですが、マクマーフィーのやり方に賛同するようになります。
他の患者と無断で外出しボートに乗せて、マクマーフィーの女友達とともに海へ釣りへ行ったりします。こうした反抗的な行動が管理主義的なラチッド婦長の逆鱗に触れ、彼女はマクマーフィーが病院から出ることができないようにしてしまいます。ある日患者が騒動を起こした際、止めようとしたマクマーフィーも一緒に、お仕置きである電気けいれん療法(electroconvulsive therapy) を受けさせられてしまいます。マクマーフィーは、しゃべることのできないネイティブアメリカン(native American)であるチーフ(Chief)とともに順番を待っていますが、実際は彼がしゃべれないフリをしていることに気づき、一緒に病院から脱出しようと約束します。しかしチーフは、自分は小さな人間だとその誘いを断るのです。
クリスマスの夜、マクマーフィーは病棟に女友達を連れ込み、酒を持ち込んでどんちゃん騒ぎを始めます。一騒ぎ終わった後の別れ際になって、ビリー (Billy)が女友達の一人を好いていることに気がつきます。ビリーはマクマーフィーに可愛がられています。マクマーフィーは、女友達にビリーとセックスをするよう頼み込み、二人は個室に入っていきます。二人の行為が終わるのを待っている間、マクマーフィーは酒も廻りつい寝過ごしてしまいます。翌朝、乱痴気騒ぎが発覚し、そのことを婦長からビリーは激しく糾弾され、母親に報告すると告げられます。そのショックでビリーは自殺してしまいます。マクマーフィーは激昂し、彼女を絞殺しようとします。婦長を絞殺しようとしたマクマーフィーは他の入院患者と隔離されてしまいます。
チーフはついに逃げ出すことを決意し、マクマーフィーを待っています。戻ってきたマクマーフィーは病院が行った治療ロボトミー治療(lobotomy)によって、もはや言葉もしゃべれず廃人のような姿になっています。チーフはマクマーフィーを窒息死させ、窓を破って精神病院を脱走するのです。