【風物詩】積極的差別是正措置(Affirmative Action) その四 多数派の賛成意見

長年、積極的差別是正措置というプログラムを批判してきたジョン・ロバーツ(John Roberts) 最高裁長官は、全米の大学は入試において人種差別のない基準を用いなければならないとし、多数派の判決を下したのです。ロバーツ長官は、「多くの大学はあまりにも長い間、個人が克服した課題でも、築き上げたスキルでも、学んだ教訓でもなく、肌の色を基準とするという誤った結論を下してきた。我々の憲法の歴史は、そのような選択を容認していない」と主張します。ロバーツ長官は、2003年に積極的差別是正措置の合憲性を再確認した裁判所の判決を指摘し、「当時裁判所の代弁者であったサンドラ・オコナー(Sandra Day O’Connor) 判事が、将来のある時点で終止符を打つ必要があると示唆していたことを指摘していた。その時が来たのだ。」と語ります。

差別是正措置賛成派

全米で二人目の黒人判事で以前から差別是正措置の廃止を訴えていたクラレンス・トーマス(Clarence Thomas) 判事は、今回の判決について、「大学の入学者選抜方針は、無軌道で人種に基づく優遇措置であり、入学者層に特定の人種が混じるように設計されている」と述べます。トーマス判事は、これまでと同様に積極的差別是正措置は、マイノリティに汚名を着せるものであるという長年の見解を繰り返します。「私も人種と差別に苦しむすべての人々に降りかかった社会的・経済的被害を痛感しているが、私はこの国がすべての人は平等につくられ、平等な市民であり、法の下では平等に扱われなければならない、という原則に従うことを永続的な希望として抱いている」とも主張します。

差別是正措置反対派

ですが、最高裁は、大学入試における人種的配慮への扉を完全に閉したわけではありません。ロバーツ長官が言うように、「この決定は、人種がその人の人生にどのような影響を与えたかについて、大学が志願者の意見を考慮することを禁止するものと解釈されるべきではない。」さらに最高裁は、アメリカ陸軍士官学校(Military Academy) は特に、国家安全保障上の利益のために、差別是正措置を継続できる可能性を残すとしています。

反積極的差別是正措置の活動家であるエドワード・ブラム(Edward Blum) は、1965年に制定された画期的な投票権法から高等教育における差別是正措置に至るまで、何十年もの間、あらゆることに反対してきた十字軍といわれた人物ですが、人種優先を理由にいくつかの企業の取締役会に異議を唱えることを計画しており、マイノリティの奨学金プログラムやフェローシップ・プログラム(Fellowship Program)に異議を唱える他の計画も持っているといいます。ブラムは、ハーヴァード大学とノースカロライナ大学というエリートとしての知名度の高い大学を法的ターゲットに選んだようです。