懐かしのキネマ その98 【足ながおじさん 】

原題は【Daddy Long Legs】。億万長者と孤児の恋を描いたジーン・ウェブスター(Jean Webster)の同名小説を、フレッド・アステア(Fred Astaire)とレスリーキャロン(Leslie Caron)による華麗なダンスとともに描いた名作ミュージカルです。

【足ながおじさん 】は幾度も映画化、舞台化されますが、その中でもとりわけ愛されているのが本作といわれます。ミュージカル映画最大のスターとして戦前から君臨してきたフレッド・アステアが、『巴里のアメリカ人』(An American In Paris) でデビューした女優レスリー・キャロンをエスコートします。アステアは衰えを知らぬキレの良いダンスと大ベテランならではの風格を表しています。

Julie Andre & JervisPendleton

フランスを訪れたアメリカの富豪ジャービス・ペンドルトン三世(JervisPendleton III)は、車の故障でジャンヌダルク(Jeanne d’Arc)という孤児院で助けを求めます。そこで出会った快活な少女ジュリー(Julie Andre)は、子どもの相手の仕方が非常に上手なので、ジャービスは彼女の能力に興味を持ちます。そして友人の駐仏大使を通して、彼女をマサチューセッツ州(Massachusetts)のウォルストン大学(Wallstone College)で勉強させるよう手配します。しかし、ジャービスは、ジュリーには自分の正体を明かさず、彼女が卒業までの生活を手紙に書いて匿名の「ジョン・スミス」(John Smith)宛てに送らせることにします。

大学ではフランス人留学生として好成績をおさめるジュリーです。彼女は学園生活を満喫し、まだ見ぬ紳士スミスを「足ながおじさん」と呼んで憧れます。沢山の手紙をスミス氏宛に書くのですが、一度も返事が来ないのです。ようやく数年後に、ジャービスは自分の本名を隠したまま大学を訪れてジュリーに会います。父親と娘のような年の違いなのですが、やがて二人は恋に陥ります。