英語あれこれ その18 沈黙はNo Good

外国人と会話すると、「これでもか、これでもか、」としゃべってくる。なにか、彼らは絶えずしゃべることによって、心理的な安定を得ているのではないかと思われるふしがある。沈黙は苦手なようだ。KYは通じない。

「物言えば唇寒し秋の風」と芭蕉は歌う。寒い地方の人の口は重たい、いわれるが北海道育ちの筆者には頷ける。古代ヨーロッパでは、金よりも銀が珍重された時代がある。「雄弁は銀、沈黙は金」。だが雄弁のほうが沈黙に勝ると思うのである。

関西では「口では大阪の城も建つ」、「金も出すが口も出す」という言い方もある。ときに「口は災いの元」となることもあるだろう。おもろくないことを語るよりは黙っていた方がいいだろう、コミニュケーションは語り合うことで成立。粋な話題の一つや二つで関西人と関東人の会話も盛り上がる。今は、「祇園祭」の真っ最中だが、落語にもこの演目がある。橘家圓太郎のはええ。

友達でも知人でも会話を交わすには、話題が必要なことは誰でも知っている。話題がないときまずい沈黙が漂う。会話のきっかけとして、家族のこと、趣味のこと、仕事のこと、食べ物こと、故郷のこと、などが会話のきっかけとなる。外国人の場合はなおさら、どの話題を引き合いにするかが大事だ。外国人との会話のきっかけとして「日本の印象はどうか」ではありきたり過ぎる。

日本の印象、ということでは対話はすぐ途切れる。そして沈黙がすぐやってくる。そこで提案だが、「日本で食べたもので一番苦手の料理はなにか」これが一押しの話題だ。どうして美味しくなかったのか、どんな味がしたのか、どうしてレシピが口に合わなかったのか、などで会話が続く。食の話題は文化にも及び、会話に花が咲くのは万国共通である。

yamaboko0717 山鉾巡行
OLYMPUS DIGITAL CAMERA橘家圓太郎