囲碁にまつわる言葉 その14 【檀那】

八碁連の前身、碁老連のニュースレターでは、なかなか興味のある話題を提供しています。「ボケ防止のための啓発囲碁大会」の開催に関する町内会に配付するチラシには、申し込み段級位について、「通常使用している段級位を原則とする」としていました。「大会用として特別な段級位で申し込みをした場合、異議の申し立てがあったときは失格となりうる」とも記載しています。この措置は、過去の各種大会において段級位を下げて参加するという悪弊を排除し、正常な大会として運営するためとしています。段級位を下げると優勝する可能性が高くなるのです。

それにも関わらず、このような悪習が毎回見られ、参加者間に「またか、という軽侮の念が広がり、大会の雰囲気を味気ないものにした」ようです。「嘘をついてまで勝ちたいのだろうか」と慨嘆しています。極端に段級位を下げて申し込まれた人に対しては事前に「参加拒否」として連絡したようです。

—–【檀那】——– 
「布施」を意味するサンスクリット語(Sanskrit)(梵語)の「dana」から由来したのが、「檀那」又は旦那です。サンスクリット語はインドの公用語の1つで文学、哲学、学術、宗教などの分野で使われています。「dana」とは「執着を捨てて、金品を与えたり、施したりする行為」である財施を意味します。

江戸時代になると賭碁を生業とする者が現れます。賭碁で稼がせてくれる人は「檀那」と呼ばれました。檀那碁という用語があります。これは、ふだんは勝っても、賭碁になると負ける碁のことです。金品を賭けて打つ碁のことです。囲碁で賭けが行われるのも古来から行われていました。江戸時代の賭碁師の中では、享保・文政期に三千両を稼いだと言われる淡路出身の「阿波の米蔵」が知られています。