IEPはどうなっているか その10 Santa Clara市学校区の教育心理的サービスに関する報告書 その2

前回はSanta Claraの一高校生に行った2度の検査結果の一部を記した。検査は継続的に実施することによって、生徒の発達状態を理解することができる。今回は、検査結果を分析した内容を紹介する。こうした文書は、保護者とか新たに加わる支援者への説明には大変役立つものである。

1. 認知
Aは,視覚知覚と極微細運動による非言語性認知テストであるLeiterを受けた。その結果であるが,Leiterの検査結果では精神年令の5才10か月,IQの42で前回と同様の結果であった。また,レベルIVでは全ての項目を通過した。レベルVでは3/4の項目を,レベルVIでは1/4の項目を通過した。しかし,レベルVIとVIIでは,全ての項目を通過しなかった。彼女は,自分の力で数字をマッチングさせ,言葉で分類し,基本的な操作をし,色,形,数字の組み合わせによるマッチングができる。

それに続くレベルの高い課題では,最初は正しく反応したが,項目の中間や終りの方では下位項目で誤反応を示した。Aは,まれに視覚的に注視することによる援助を求めていた。検査者が検査項目を素早く提示した場合,概ね良好な反応を示した。

2. 微細運動/知覚運動
Aは,鉛筆で線と幾何図形を模写する能力をテストする視知覚運動統合テストであるBeeryが実施された。彼女は,水平線に対する垂直線を模写することを除いて,垂直線と円の模写をした。Beeryの結果,3才2か月相当であった。Aは,震えたような線ではなく平らな線を書いた。自分の簡単なイニシャル”○”をかろうじて書ける。先の尖った,色付のフェルトペンを使うとより上手に書ける。

彼女は,小さなビーズをゆっくりではあるが正確に分類し,ゴム輪やペーパークリップを使ってカードや書類をファイリングできる。Macintoshコンピュータで,3〜6才のユーザーを対象とした教育的ゲームで上手に遊ぶことができる。彼女のキーボードには,1/4インチ大の適応シンボルが添付されていて,黒い印がついている。もっとも教師は,それがなくても彼女が十分に使えると考えている。

3. 粗大運動
Aは,大股で歩きうまく体をコントロールして移動し,長距離を歩いたり,たまにジョギングをする。指示されれば,大きな運動場用のボールを投げたり,ゆっくりトスされたボールを受けることができる。また,静止したボールを力強く的に向けて蹴ることができる。彼女は,2秒間片足立ちできる。筋力や忍耐力を強化する運動プログラムに参加していて,ユニバーサルマシンで重量上げをし,階段登り機を連続2分間行い,立ったり座ったりの動作を7回できる。

4. 自助行為
Aは,自分で上着をつけたり,背中用ザック,腰用ザック,小袋を扱うことができる。それらを持つことを楽しみながら,自信を持って取り扱えることができる。上着や腰用のザックを学校に忘れることや小袋を失ってしまうことがあるので,時々それらの物を忘れないようにするための催促が必要となる。

彼女は一人で食事と片付けができるが,朝食および昼食の後,口のまわりを清潔にする援助が必要です。Aは,着衣や着替えは一人でできますが,水着の場合のみ困難です。彼女は,Velcroのウォーキングシューズを一人で正しく装着できます。Aは,時々トイレのドアを開け放しで出ていくことを除けば,排泄と手洗いは自立しています。

5. 社会的/個人的
Aは,スタッフや生徒との関係では,楽しく過ごすことができる。何かを要求したり援助を求めたりしなければ,自分で何とかしようと徘徊する。目的の人を探し,そのことを適切な言葉で表現できる。Aは,自分ができる活動,特に興味の強いゲームでは,どんな生徒とでも一緒にゲームができ,皆とうまくやっていける。彼女は,2年前に比べ攻撃的な感情の爆発が少なくなり,自己を制御できるようになっている。元気なときは愉快な生徒である。

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