アメリカ合衆国とニックネームの由来 その6 The Golden State

日本人にとって最も親しみのある州の一つがカリフォルニア(State of California)です。1846年に勃発したアメリカ-メキシコ戦争 (Mexican-American War)の後、1848年にメキシコはこの地域をアメリカに譲渡します。この戦争によって、さらにメキシコは、ネバダ(Nevada)、ユタ(Utah)と、アリゾナ(Arizona)、ニューメキシコ(New Mexico)、ワイオミング(Wyoming)、コロラド(Colorado)の大半の管理権をアメリカに与えます。アメリカはこれに対し1,500万ドルと債務放棄325万ドルを支払います。こうした措置によってメキシコは国土の 1/3 を失うことになります。

  1848年にカリフォルニアやアイダホ(Idaho)で金が発見されると、ゴールドラッシュ(Gold Rush)が始まります。1848年から1952年にかけて約25万人が押し寄せたという統計があります。さらに1882年頃からは中国人や日本人の移住が始まります。従事したのは主に農業です。日本人は主にロスアンジェルス郡(Los Angeles County)、オレンジ郡(Orange County)、サンタクララ郡(Santa Clara County)に移住します。

1913年頃になりますとカリフォルニア州は、排日土地法を制定し日系1世は土地所有が制限されます。さらに公立学校への日本人学童の入学が拒否され日本人排斥運動が起こります。石川好の「カリフォルニア・ストーリー」や「ストロベリー・ロード」などのノンフィクション小説では人種差別にまつわる日米移民史や日米関係が記されています。

本題のニックネームですが、ゴールドラッシュに始まる人口の増大や農業や鉱業の発展は「The Golden State」を揺るぎないものとしています。州の色は金色、州の鉱石はもちろん金となっています。カリフォルニアの経済は、国と比較したほうがよいほど巨大です。個人所得は合衆国全体を上回り、1965年には工業製品の輸出ではニューヨーク州にとってかわります。航空機、農業、ワイン醸造、映画などの娯楽産業の発展はよく知られているところです。一つの大きな国家のような体をなすのがカリフォルニアです。