リベラルアーツ教育 その6 「自由七科」

georg-wilhelm-friedrich-hegel-03 curse-magic-graffiti-eyecatch-01-620x377 73ce447c「Liberal Arts」ということの続きです。「専門分野の枠を超えて共通に求められる知識や思考法などの知的な技法の獲得や、人間としての在り方や生き方に関する深い洞察、現実を正しく理解する力」というのが平成14年2月に中央教育審議会が答申した教養ということの定義です。「専門性につなげる、あるいは専門性にとらわれない幅広い教養や知識」といった人が持つ必要がある実践的な知識・学問の基本のこととあります。

定義はさておき、中世の西欧において必須とされたのが「自由七科」(septem artes liberales) というものです。その内訳ですが、主に言語にかかわる3科目の「三学」(trivium)と数学に関わる4科目の「四科」(quadrivium)の2つに分けられます。三学は文法・修辞学・弁証法(論理学)、四科が算術・幾何・天文・音楽と規定されていました。幾何学は図形の学問であり、天文とは円運動についての学問で現在の地理学に近いと考えられます。ラテン語で「tri」とは三、「quad」とは四、「septem」は七を意味します。この接頭語がついた英語は沢山あります。

哲学(Philosophia)ですが、以上の自由七科を統合しその上位に位置すると考えられました。ギリシャ語(Greek)で英知を意味する「sophia」、愛することを意味する「philo」から成ります。一切の思想的前提を立てない理性の学といわれる哲学は、弁証法によって思考を深めることを教えるものとされました。弁証法とはギリシア語でいう対話「dialektike」です。

哲学はさらに神学の予備学とされたというのですから、なんだかこんがらがってきます。神学は「理性によっては演繹不可能な信仰の保持および神の存在を前提とする」というのです。どうも神学が中世の学問の中心であったようです。ここまで思索してくるとヘーゲル(Georg Hegel) の「弁証法的論理学」とか「止揚」ということの内容、そしてなによりも神学の神髄を学ぶ必要を感じます。

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