ジョン・デンバー(John Denver)やオリビア・ニュートンジョン(Olivia Newtonjohn)が歌う「カントリーロード」(Country Road)は、ウェスト・ヴァジニア州(West Virginia)を車で通ったときの風景を歌ったものといわれます。1971年に発売され音楽週刊誌のビルボード(Billboard)で全米2位を記録した大ヒット曲です。歌詞(Lyrics)の最初にでてくる”Almost Heaven, West Virginia”はウェスト・ヴァジニア州自慢の人たちが使う言葉のようで、「まるで天国のようなところ」といった按配です。この曲は2014年に州議会により州歌として認定されています。
ウェスト・ヴァジニア州はアパラチア山脈(Appalachian Mountains)に位置し、国内で最も森に包まれる地形が広がっています。州内全域に広がる起伏の多い山々と丘や渓谷に囲まれていることから、山の州(Mountain State)という愛称がついています。「カントリーロード」の歌詞にある「ブルーリッジ山脈(Blue Ridge Mountains)」はアパラチア山脈に含まれ、州の東部からはその姿を眺めることができます。シェナンドー川(Shenandoah River)も一部流れています。
アパラチア山脈の全域に硝酸カリウムの採れる洞窟があり、弾薬用に開発されます。ヴァジニア州との州境には「硝石トレイル」があり、硝酸カルシウムを豊富に埋蔵する石灰岩は政府に買い上げられました。石灰岩は有益な採石産業も生んでいきます。この石灰は農業と建設用に使われます。そして19世紀後半、瀝青炭という貴重な資源が見つかります。これが国内の産業革命を加速させ、世界中の海軍の蒸気船に使われていきます。現在も多くの他州で発電するためにウェスト・ヴァジニア州の石炭が使われています。このようにウェスト・ヴァジニア州の主要産業は石炭産業です。国内ではワイオミング州に次ぐ第2位の石炭生産州で、国内全生産量の15パーセントを占めています。「カントリーロード」の歌詞にも「Miner’s lady(炭鉱夫の淑女)」という言葉がでてきます。
州都で最大都市はチャールストン(Charleston)となっています。州第4の都市、モーガンタウン(Morgantown)という治安のよい小都市に、州立総合大学であるウェスト・ヴァジニア大学があります。モーガンタウンはベスト・カレッジタウン(best college town)にランクインしており、生活費や犯罪率が低いエリアとして知られています。
カントリーロードの歌詞の一部です。
Almost heaven, West Virginia
Blue Ridge Mountains, Shenandoah River
Life is old there, older than the trees
Younger than the mountain
Growing like a breeze
Country roads, take me home
To the place I belong
West Virginia, mountain mamma
Take me home, country roads