今回から暫く海外留学を巡る大学や高校教育の内容を、アメリカに焦点をあてて紹介することにします。
今やどの大学も学生の募集に躍起となっています。人口の減少とか貧困の蔓延などによって大学進学者が減少傾向にあることが起因しているようです。
先日、在日アメリカ大使館主催のUS Education Fairという留学説明会に参加しました。説明会に出展する多くは私立の単科大学(College)やコミュニティカレッジ(Community College)です。出展する中には、州立大学もあります。私は昨年に続き東京と大阪の説明会にボランティアとしてでかけました。アメリカの大学も海外からの留学生の獲得に奔走しています。世界中にある同窓会組織を通して大学のPRに努めているのです。
留学生集めに忙しいのは単科大学(College)だけではありません。ハーヴァード大学(Harvard University)、プリンストン大学(Princeton University)、コロンビア大学Columbia University、スタンフォード大学(Stanford University)、マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology:MIT)も積極的です。以上の超一流の大学は私立大学です。ウィスコンシン大学マディソン校(University of Wisconsin-Madison)は州立ですが、留学生募集活動に積極的なのは例外ではありません。
海外からの優秀な学生や院生、研究者を取り込み、教育や研究の質を高めようとしているのが大学の実情です。留学生の能力が高いことは大学関係者なら皆知っています。ですからこうした頭脳を一人でも集めたいのです。
今回、東京大学でアメリカ史を研究しているという博士課程の院生がウィスコンシン大学のブースにやってきました。東大で博士号を取得するか、ウィスコンシン大学で取得するかで迷っているという贅沢な志望の女性でした。既にウィスコンシン大学の歴史学の研究内容や師事したい教授を調べていて留学の動機は極めて高い人です。多くの論文も読んでいることが十分に伝わってきました。
私の助言は、推薦状やレジメ、志望動機のエッセイをきちんと作ることくらいでした。英文での修辞に注意を払うように伝えました。こうした志望生がブースに立ち寄ってくれるときは、こちらもついつい熱がはいります。同時に気楽でもあります。
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