人工知能囲碁プログラム「アルファ碁」(AlphaGo)の登場には棋界が驚きました。韓国の一流の棋士を四勝一敗で破って一躍注目を浴びました。今年は、井山裕太本因坊が挑戦するようです。「アルファ碁」が本因坊に挑戦するようです。済みません、間違えました。
「アルファ碁」は、一手を打つのに平均30秒から2分間の考慮時間を使うそうです。その間、過去の膨大な棋譜に基づくデータから最善の手を探すといわれます。最善の手を打てばアルファ碁が勝つ確率は53%とか次の最善の手は48%ということになるそうです。アルファ碁はたった僅かの時間内での計算によって、こうした確率をだすのです。まさに「電子計算機」の真骨頂が盤上に示されるといえます。アルファ碁の着手は確率、つまり「偶然性を持つある現象について、その現象が現れることが期待される割合」です。凄いことです。
理論的にいいますと、計算によって着手が決まっているので人間の考える着手とは無関係といえます。ところがです。人間は着手をあれこれ考えるうちに疲れるのです。ところが人工知能は疲れという概念は存在しません。実戦の心理状態という概念もありません。人間は疲れるから人間の価値がでてくるのです。感情があるから人間なのです。もし人工知能が感情や心理を有するようになると、人間と同じように間違って手を打つことが考えられます。より人間に近い「存在」となるはずです。そうなれば、碁を打ちながらミスも生まれるでしょう。感情や心理を持たないから棋士に勝てるのが人工知能なのです。人工知能の研究者にはジレンマに陥るような未来の対局の姿です。
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