どうも気になる その19 発達障害と診断と治療 その6 製薬会社と研究者の「良好な関係」

中枢神経刺激薬であるを含むストラテラやコンサータが幅広く18歳未満のAD/HDの人々に対して処方されている。一般に、AD/HDの子どもに鎮静効果があり、衝動的行動や行動化の傾向を軽減するといわれる。それにより学校生活に集中できるようになる。AD/HDの大人の多くは、メチルフェニデートによって仕事に集中することができるといわれている。同時に、メチルフェニデートの副作用として抑うつ気分、疲労、無欲、脱力、不快感など依存形成を伴うことが指摘されている。

「AD/HDは作られた病であることを「AD/HDの父」が死ぬ前に認める」という記事に対して、FB上で次のようなコメントが寄せられている。

M氏: 「米国の”正義”とは得てしてこのようなものが背景に潜んでいますね。」

この正義についてであるが、個人は内部告発も含めて広く自分の意見を述べることが大事だという考えがある。いまだにベトナム戦争に対して贖罪のように反省や教訓の記事がみられる。正義とは勇気をもって誤りを指摘し自分の立場を鮮明にすることである。米国の”正義”というのは多面的な性格を帯びているということである。

次ぎにDr. Eisenbergが指摘する製薬会社と医者や研究者の「良好な関係」についてである。薬の開発では副作用をいかに制御するかに苦心しているはずである。そのために企業から多くの研究費や資金が大学や研究所に提供されている。医師主導の新薬開発の治験も製薬会社と行動で行っている。これは悪いことではない。新薬の開発には産学共同はどうしても必要だからである。スーパーコンピュータやロケットの開発、原子力開発、半導体、iPS細胞の分野では産学共同研究が欠かせない。

日本も米国でも発達障害は一大産業となっている。AD/HDやLDの改善に効果的な新薬の開発に日本の研究者も大勢関わっている。日本ADHD学会の設立には製薬会社の後押しがあったようだ。AD/HD治療薬は順調に売上を伸ばしているときく。産学共同研究の悩ましいところである。日本ADHD学会の趣旨には、「ADHDに関する医学の発展ならびに医療の充実に寄与することを目的」とある。教育は一体どこにいったのか、という気分になる。

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