懐かしのキネマ その61 【ゴッドファーザー】

原題も【The Godfather】です。ゴッドファーザー(Godfather)と呼ばれるマフィア(Mafia)のドンを中心に、その抗争と家族の営みを描いた素晴らしい人間ドラマで、最高のギャング映画の大作です。「Mafia」とは、組織犯罪集団の代名詞といわれ、排他的かつ強力な団結力を持つ組織のことです。

シシリー(Sicily)からアメリカに移住し、一代で財を成したのがドン・ヴィト・コルレオーネ(Don Vito Corleone) です。自分を頼りにする者には愛と権力、知力で十分に報いるのです。それがゴッドファーザーとしての義務であり、尊厳となっていました。そしてニューヨークを牛耳るイタリア系マフィアの頭領となります。ヴィトの長女コニー(Connie)が結婚することになり、邸宅で盛大なパーティが開催されます。堅気の道を歩もうと従軍した三男マイケル(Michael), も、恋人ケイ(Kay Adams)と祝福に駆けつけてきます。その後日、麻薬を商売とするソロッツォ(Sollozzo)からの誘いを断ったヴィトが、ソロッツォの部下に銃撃されてしまいます。何とか一命を取り留めた父の窮地を救うため、ひとり堅気な人生を送ろうとしていたマイケルはマフィアの世界へ足を踏み入れるのです。それを機に、ニューヨークは抗争の場と化していきます。

ドン・ヴィト・コルレオーネ

意識を回復するもまだ体調は万全ではないヴィトは跡継ぎとなるソニー (Sonny)の死にショックを受けつつ、犯罪一族タッタリア(Tattaglia) との手打ちを決めます。コルレオーネに次ぐ勢力を誇るバルジーニ(Barzini)が仲介役となって五大ファミリーの会合が開かれ、その場でヴィは麻薬取引を部分的に認めつつ、残る息子マイケルの身の安全を要求し、タッタリアとの講和が結ばれます。その帰途、ヴィトは彼の顧問であったトム(Tom Hagen)に今回の騒動の黒幕はバルジーニ(Barzini)だと指摘します。

Michael Corleone

ヴィトは帰国したマイケルを正式にファミリーの跡継ぎにすることを決め、自らは相談役として退きます。若く新参のマイケルに不安を覚える部下たちも多い中、マイケルは5年以内にファミリーを合法化して一部のシマは譲ると言い、また有能ですが平時の人材と目する義兄トムを遠ざけ、ファミリーの仕事をしたがっていた義弟カルロ(Carlo)を抜擢します。加えてマイケルはケイと再会して結婚し、2人の子どもをもうけるのです。

ヴィトは、ゴッドファーザーとして家族の者達に次のような教えを伝えるのです。
 「家族を大切にできないやつは、本当の男じゃない。」
 「権力があるところには、必ず責任もある。」
 「注意深く、男は一瞬でも油断してはいけない。」