文化を考える その13 それぞれの家族史 その5 次女

次女の名は恵美・ライナー(Emi Reiner)。8年ほど前にアメリカ国籍を取得した。今、マディソンで11歳と9歳の娘を育てている。長女と一緒の街に住む。旦那はドイツ系のアメリカ人で福音系のクリスチャン、連邦政府の材質研究所で研究員として働いている。

彼女は今大学に戻り、看護師になる勉強をしている。来年は念願の看護師になれると張り切っている。長い間乳ガンと闘ってきた母親を自宅で引き受けてきた。ターミナルケアである。孫娘らに看取られ一昨年の7月28日に昇天した。

母親のガンは1981年に見つかった。丁度沖縄に帰省していたときだ。すぐマディソンに戻り診察を受け、数日後に手術となった。私のロータリークラブのスポンサーであるDr. David Gilboe氏は大学病院の教授であった。その方の紹介で外科医を紹介してくれた。手術前に同意書に署名した。

手術の経過を聞くと、胸の周りにある12のリンパ腺に既にガン細胞が広がっていて全て除去したとのことだった。最悪のガンの一つで、術後一年内に死亡するのは50%だという。この数字は全米の大学病院や総合病院をつなぐネットワーク上のデータベースによってわかるのだそうだ。ガンの種類、人種、年齢、治療法などを組み合わせることによって、生存率がわかるということだった。

ネットワークといえば、論文などを書くとき、関連情報の検索によって主要な文献を集めたことである。この作業をしてくれたのが大学図書館の司書であった。いろいろなデータベースを次々と調べこちらが欲しい論文などを検索してくれる。その力量には驚いた。

ガン研究と治療もネットワークの進展に支えられている。

ordermade fig_02