懐かしのキネマ その95 【三十四番街の奇蹟】

1947年に制作されたファミリーストーリーが(Miracle on 34th Street)です。サンタクロース(Santa Claus) は実在するか否かの考え方が主題です。舞台はニューヨーク(New York)マンハッタン(Manhattan) 三十四番街のスクェアに位置する百貨店メイシーズ(Macy’s)の旗艦店です。クリスマス商戦の開始を告げる感謝祭(Thanksgiving)の仮装パレードの準備中に酔いつぶれたサンタ役を叱りつけた老人ークリス・クリングル(Kris Kringle)が人事係のドリス(Doris Walker)の判断で代役を努めます。パレードは成功、芸達者な彼はユーモアと思いやりによって、おもちゃ売り場で子どもたちの人気者になります。メイシーズもクリス人気に便乗します。

Parade of Christmas

しかし、クリスはドリスとの面接の際に、自分が本当にサンタだとする彼は妄想癖があるとみなされてしまいます。そこでメイシーズ専属の医師ソーヤー(Granville Sawyer)に彼の診察をさせた結果、異常はありません。ソーヤーは妻と不仲でそのことを診察中にクリスに指摘され苛立ち、彼に異常があると偽りの診断をし、今すぐに精神病棟に入れたほうがいいと進言します。だが、クリスが入所している老人ホームの医師ピアース(Pierce) は彼には異常がないとして精神病棟に入れる必要はないと主張します。

その直後にメイシーズで働いている若い従業員のアルフレッド(Alfred) が子どもたちに親切すぎることを理由に、ソーヤーがアルフレッドに精神障害であると発言したことをクリスは知り、憤った彼はソーヤーを非難して杖でソーヤーの頭を叩いてしまいます。そして、ソーヤーの企みでクリスは精神病棟に閉じ込められるのです。

過去の痛みからサンタクロースを信じられないドリスと、彼女の心を知る健気な娘スーザン(Susan) は老人が二人にとってかけがえのない存在だったことを知ります。クリスにとってもスーザンがサンタクロースを信じてくれることが何よりの望みでした。クリスが本当のサンタクロースであると訴えて裁判が開かれます。

ドリスの隣人で弁護士のフレッド(Fred Gailey)はクリスの弁護をかって出ます。事件はクリスが精神的に正常かどうかで争われるのです。正直な老人を助けたいニューヨークの人達は街角の店先やアパートのベランダに「私たちはサンタクロースを信じます」というオピニオンボードを掲げ始めます。裁判はクリスの主張が不利なまま進行します。法を曲げられない判事のハーパー(Harper)は「奇蹟が起こらない限り」老人を助けられないだろうと密かにフレッドに伝えます。そして結審の日を迎えのです。

判事ハーパーの机の上に弁護士のフレッドが、郵便局で刻印された山積みの郵便物を置きます。すべて「サンタクロース様」という宛名書きです。判事はこうした手紙を見て,クリスはサンタクロースであると宣言するのです。