女性の生き方 居眠り磐音 江戸双紙 その4 長屋の女衆と金兵衛

10875058 11033830 PDVD_027-14a03金兵衛長屋の木戸に長屋の女達が集まってきます。金兵衛の妻、おのぶは二年前に流行り病で亡くなります。おこんが十三歳のときです。長屋の女衆、金兵衛、そしておこんの対話です。

「おのぶさんが亡くなって二年が過ぎたね。」
「一時、金兵衛さんはがっかりしていたけど、最近また元気を取り戻したようじゃないか。」

付け木売りのおたねが言い出した。
「東広小路の楊弓場の年増のを口説いているって話かい。」
「あら、おたねさんも承知かえ。」

そこに嘘っぽい空咳が響いて金兵衛が現れます。
これこれ、年端のいかない娘にまで、あらぬ噂を立てるんじゃないよ。」
「あら、おなっつあん、私も知っているわよ。」
「こらっ!」
「おめえ、あらぬ噂は信じるんじゃないよ。」
「長屋の噂なんぞ、千に一つもほんとうのことはないからな。」
「相手がいるのなら、後添いを貰ってもいいのよ。」
「気が寒いで元気をなくすより、新しいお嫁さんを貰って若返えれば。」
「おこん、なんてこと言うんだ。私はなにも、、、、」
「あーあ、女と小人は養い難しだ。」

「おこんちゃん、大家さんを屁って心にもないことを言うなんて、娘も苦労するね。」
「あら、おいちおばちゃん、私本心よ。」
「本心だって?」
「私、近々奉公にでるの。だから、お父っつぁんを独り残して行くのが一番気がかりなの。誰かお父っつぁんの所へお嫁がきてくれると安心なんだけどな。」
「おこんちゃん、おまえさんはできた娘だよ。」
「鳶が鷹を生むってこのことだね。」

金兵衛は、娘おこんの前で空威張りをしてはその威厳を保とうとします。ですが、おこんは父親の独り暮らしを心配して、嫁さんをもらっては、とづけづけ言うのです。金兵衛はおこんの言葉にぐさりと響きます。同時におこんの成長に目を細め、やがて婿がきて孫ができることを夢見ています。
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女性の生き方 居眠り磐音 江戸双紙 その2 金兵衛の娘

149288_30555main 江戸は深川六間堀の通称「金兵衛長屋」の大家がおこんの父、金兵衛です。坂崎磐音もこの長屋に住んでいます。夏でもどてらを着ていて、娘からも「どてらの金兵衛さん」と呼ばれています。連れ添いのおのぶは既に他界しています。口は少々悪いのですが、生来気がよく、店子からも慕われています。「大家と言えば親も同然、店子と言えば子も同然」というのは落語定番の台詞です。

おこんは今小町と呼ばれる別嬪です。「鳶が鷹を生んだ」という評判になるほどの美人です。今津屋に女中として長年奉公し、若いながら奥向きの一切を任されるほどの信頼を得ています。気っ風がいい深川娘です。

金兵衛は浪人暮らしの磐音をかばっています。早く娘が嫁に行き、孫をみたい、みたいと言っています。おこんが密かに磐音に想いを寄せているのを知らず、あれこれと見合いの工作しては、おこんに叱られ見合い計画はおじゃんになりしょんぼりするのです。娘の磐音への想いを父親はまだ存ぜぬのです。
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