アメリカ合衆国の州を愛称から巡る その21  『Bluegrass State』とケンタッキー州

ケンタッキー州(Commonwealth of Kentucky)の愛称は「ブルーグラスの州」(Bluegrass State)です。ブルーグラスとは、ナガハグサとも呼ばれる牧草です。ブルーグラスは別名ケンタッキー・グラス(Kentucky Grass)とか西洋芝ともよばれ、耐寒性が高いのと根の伸長速度が早いので有名です。その名の通り、ケンタッキーは牧草が生い茂る地であり、競争馬の飼育が盛んです。この名の通り、ケンタッキーは牧草が生い茂る地であり、競争馬の飼育が盛んです。最大都市のルイビル(Louisville)で毎年5月の第1土曜日に行われる ケンタッキーダービー(Kentucky Derby) は有名です。州都はケンタッキー川沿いにあるフランクフォート(Frankfort)で、州の最大都市ルイビルと第2の都市レキシントン(Lexington)の中間に位置しています。 フランクフォートの人口は約28,000人で、人口の少ない州都の全米第5位になっています。

Kentucky

ケンタッキーはバーボン・ウイスキー(Bourbon whiskey)発祥の地、またケンタッキー・フライド・チキン(KFC)の本拠地としても知られています。 州内には450を超えるサラブレッド牧場や、多くのウイスキー蒸留所があります。バーボンという名前はフランスの「ブルボン朝」(Bourbon Dynasty)に由来します。アメリカ独立戦争の際にアメリカを支援したことに感謝し、後に合衆国大統領となるトーマス・ジェファーソン(Thomas Jefferson)がケンタッキー州の郡のひとつを「バーボン郡」と名づけます。それが同地方で生産されるウイスキーの名前となり、定着したといわれます。バーボン・ウイスキーの主原料は51 %以上のトウモロコシ・ライ麦・小麦・大麦です。これらを麦芽で糖化し、さらに酵母を加えてアルコール発酵させるようです。炭化皮膜処理されたオーク樽を製造に用いることが義務づけられています。ブランドを維持するためです。

River Boat

「ケンタッキーの我が家」(My Old Kentucky Home)はスティーブン・フォスター(Stephen C. Foster)作詞・作曲の歌曲です。ケンタッキー州の州歌となっています。「主人は冷たい土の中に」(Massa’s in De Cold Ground)、「故郷の人々」(Old Folks at Home)、オールド・ブラック・ジョー」(Old Black Joe)、「夢見る人(Beautiful Dreamer)、「金髪のジェニー」(Jeanie with the Light Brown Hair)、「スワニー川」(Swanee River)など、黒人奴隷の苦しみに共感を示しそれを描き出したのがフォスターです。曲のメロディは親しみやすく、黒人歌、農園歌、ラブソングや郷愁歌などを作曲し「アメリカ音楽の父」と称されています。