留学を考える その42  ニューメキシコ州—Land of Enchantment

この州の最大の都市はアルバカーキー(Alburquerque)です。今では伝説的となりましたが、かってビル・ゲイツ(Bill Gates)がパソコンのOSを開発した町です。もともと大部分がネイティブ・アメリカンの居留地だったところです。部分的にメキシコ領土だった経緯もあります。現在、人口の45%がヒスパニック(Hispanic)。加えて、今でもネイティブ・アメリカンが全米で第三位を占める位多く住んでいます。ですが面積からするとアメリカで最も人口密度が低い州といわれています。
州都は、かってメキシコの総督府が置かれていたサンタ・フェ(Santa Fe)です。観光はサンタ・フェの経済を支えています。温暖な気候や、冬のスキー、夏のハイキングなど野外活動の機会に恵まれています。歴史・芸術・文化の豊かな州都です。ジョージア・オキーフ美術館(Georgia O’Keeffe Museum)はその中心といえましょう。オキーフは特にアメリカ人に人気のある女性画家です。自然の景観や動植物などの自然を題材としています。オキーフはウィスコンシン州の農家に生まれ、マディソンで高校時代をすごしたこともあります。

ダウンタウンの歴史地区、特に総督府に隣接するプラザ(Plaza)にはメキシカンフードの人気レストランが立ち並んでいます。町並みは日干しの土で作られた建築物アドービ(Adobe)です。砂、砂質粘土とわらなどの素材でつくられる建材です。熱を吸収してもゆっくりと放出するので建物の中は涼しく、ニューメキシコのような暑くて乾いた地に適しているといわれています。

ニューメキシコ州のライセンスプレートには「Land of Enchantment」(魅了してやまない地)とあります。今もナバホ(Navajo)、プエブロ(Pueblo)、アッパチ(Apache)インディアンが住む居留地があります。そこで作られる民芸作品、各地にある大小の博物館の展示物、そして大自然が観光客を魅了しています。ネイティブ・アメリカンとメキシコの文化と芸術を最も身近に接することができる州といえましょう。

ニューメキシコは日本にとって忘れることのできない州です。ロスアラモス(Los Alamos) という所があります。砂漠のど真ん中に国防総省が管轄するロスアラモス国立研究所(Los Alamos National Laboratory)があります。ここで造られた原子爆弾Little Boyが博物館に展示されています。複雑な思いのする場所です。

ニューメキシコ州立大学(New Mexico State University)、ニューメキシコ大学(University of New Mexico)、サンタフェ大学(Santa Fe University of Art and Design)が主要な高等教育機関です。

map_of_usa_nm Taos-Pueblo-New-Mexico Stieglitz,+Alfred.+Photograph+of+Georgia+O'Keeffe.+1918,+Beinecke+Libarary,+Yale.Georgia O’Keeffe