ナンバープレートを通してのアメリカの州  その五十一 ワシントン州–Evergreen State

ワシントン州(Washington)の最大都市はシアトル(Seattle)、州都はオリンピア(Olympia)です。このあたりは West Coast(西海岸)とも呼ばれています。日本人にはなじみのある州です。

Map of Washington

入り江と呼ばれるフィヨルド群(Fjord)からなるピュージェット湾(Puget)の東部には、シアトル、タコマ(Tacoma)、エヴェレット(Everett)などの大都市が連なります。プロ野球のマリナーズ(Mariners)の本拠地、マイクロソフト(Microsoft)の本社も近くにあります。航空機会社のボーイング(Boeing)の本社と工場があります。

州都オリンピアは兵庫県の田舎町、加東市とも姉妹都市です。誠に不釣り合いです(^^) シアトルから生まれたのがStarbacks珈琲ですね。これを始めて飲んだときは、そのコクと香りに驚いたものです。ワシントン州は製材、製紙業のほか、アルミニウム、食品加工が盛んでもあります。大豆、トウモロコシ、ジャガイモなどの栽培でも知られています。

ワシントン州の歴史ですが、日本との関係が深いのをご存じですか。戦前、日本から沢山の移民がこの地にやってきたのです。戦前、戦後、日系アメリカ人は辛い生活を余儀なくさせられます。そのことを記した小説に「Snow Falling on Cedars–ヒマラヤ杉に降る雪」 というのがあります。舞台は戦前で、ワシントン州の島における日系アメリカ人に対する人種差別を題材としています。この小説は、1995年にウイリアム・フォークナー賞(Faulkner Awards)をもらいます。この賞はアメリカの主要な文学賞の一つで、毎年優れた小説作品に贈られます。フォークナー(William C. Faulkner)はアメリカを代表する小説家です。

Mt. Shuksan

ワシントン州は雨が多いところです。松などの常緑樹が多いみごとな森林が発達しています。全米有数の林業の州です。ナンバープレートには「Evergreen State」とあります。Evergreenとは松の木のことで、別名クリスマスツリー(Christmas Tree)とも呼ばれます。

アドベント・クリスマス その13 ”O Tannenbaum”

アドベントリース(Advent wreath)には樅の木の枝が使われることを既に述べてきた。樅の木は冬のさなかでも緑色を保つマツ科。それ故”Christmas Tree”とも呼ばれる。だが樅の木はドイツ語での響きがもっとよいような心持ちがする。”Tannenbaum”がそうである。

クリスマス・キャロルの一つで世界中で歌われる曲にO Tannenbaumがある。現在の歌詞はライプチッヒ(Leipzig)のオルガン奏者で教師、そして作曲家であったアーネスト・アンシュッツ(Ernest Anschutz)が1824年に付けたといわれる。

この歌詞をみると曲は必ずしも来る済ますや飾りがつけられたクリスマスの木のことを歌っているのではないことがわかる。だがマツ科の常緑樹は不偏さとか信仰ということのシンボルと謂われている。

アンシュッツが書き下ろした歌詞は16世紀のシレジア(Silesian)民謡からの哀しい恋の曲が元となっている。シレジアとは今のドイツ、ポーランド、チェコのあたりを指す地域である。メルクワイア・フランク(Melchoir Frank)という人が歌った”Ach Tannenbaum”という曲に依拠している。ヤヒム・ザーナック(Joachim Zarnack)が1819年に、信仰心に欠けた恋人と信仰に溢れるような常緑樹と対比させた。

19世紀になると待降節にはクリスマスの木が飾られるようになる。そしてクリスマス・キャロルも作曲され歌われていく。アンシュッツの歌詞にある”treu”とは信仰深いという意味である。歌詞の二番目は “treu” が “grun”(緑)となっている。20世紀になってこの歌がクリスマス・キャロルとして歌われるとともに変わっていったようである。

O Tannenbaum, o Tannenbaum,
wie treu sind deine Bl?tter!
Du gr?nst nicht nur
zur Sommerzeit,
Nein auch im Winter, wenn es schneit.
O Tannenbaum, o Tannenbaum,
wie treu sind deine Bl?tter!
https://www.youtube.com/watch?v=IrFqDzPPGE8

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