福岡藩の「下士」、猪俣平八郎がいます。「下士」とは、江戸時代の武士階級で正規の身分を持った者とはいえ、武士の下層に属し、一応は武士ながら畑仕事に従事するほど、生活が困窮していました。「郷士」とも呼ばれていました。
平八郎の幼なじみにお咲がいます。やがて二人は駆け落ちしようと誓い合います。磐音をそれを手助けしようとします。
お咲 「坂崎様、私のわがままでご迷惑をおかけします。」
磐音 「お咲どの、恋を貫くとはおよそそのようなものであろう。苦労は二人になったときから始まるもじゃ。」
お咲 「猪俣さまと連れ添うのは無謀と申されますか。」
磐音 「そうじゃない。好きな相手と添う以上、苦労は致し方ないものだと言うだけじゃ。」
磐音は、自分と昔の許嫁、奈緖とのもの悲しい過去をお咲にきかせます。そして最後に言います。
磐音 「お咲どの、自ら選んだ道じゃ、苦労もあろうが、共白髪まで添い遂げられよ。祈っており申す。」
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