懐かしのキネマ その113 【ハタリ!】

『ハタリ!』(Hatari)とはスワヒリ語(Swahili)で「危ない!」という意味だそうです。1962年に公開された野生動物生け捕りチームの物語です。アフリカのタンザニア(Tanzania)舞台に、雄大な山々を背景に猛獣を生け捕り、動物園やサーカスに売るプロの狩集団と野生動物たちとの駆け引き描きます。

1950年代にアフリカのタンガニーカ(Tanganyika)地方で、モメラ(Momella Game Company)という芸能会社が、高速のトラックや投げ縄、檻を使って動物を捕獲し動物園や動物蒐集家を相手に供給しています。モメラ会社の社長はジーン・マーサー(Sean Mercer)で、他一行は、闘牛士のメキシコ人、ライフル銃の名手ポケット(Pockets)、引退したドイツ人のカーレースドライバーのクルト(Kurt)、元タクシー運転手そして現地人です。

狩の季節がやってきたので、早速メスのカバを捕獲しようとします。クルトとインド人の二人は、カバを追いかける車に乗り、ジーンとその助手はピックアップトラックで投げ縄を用意します。カバが車に追突しインド人の足に大怪我をさせます。一行は治療のためにアルーシャ(Arusha)という街まで5時間の旅をします。

病院に着くと、そこにいたフランス人のチャールズ(Charles “Chips” Maurey)ともめ事になります。彼は、モメラ会社に雇ってもらいたいと言い張るのです。そして自分がインド人に輸血で救える血液型の持ち主であると主張します。ジーンは結局、チャールズを雇うことにします。

宿営地に戻るとそこにイタリア人女性カメラマンのアンナ(Anna-Maria Dallas)がいます。翌日、アンナはバーゼル動物園(Basel zoo)からの手紙をジーンに渡します。バーゼル動物園(Zoo Basel)は、モメラ会社の大の得意先であると主張します。ジーンは不承不承でアンナの滞在を認めるのです。

アンナは二頭の子象を見付けてきます。一人の少年を雇って子象を飼い慣らしたいといいます。子象が彼女を追いかけるニュースがワアルーシャ(Wa-Arushas)の街に広がり、人々はある儀式を催し、そこでアンナを子象の母という意味の「ママテンポ」(Mama Tembo)という名で呼ぶようになります。ようやくアンナとジーンは和解していきます。

ポケットは、ロケットと網を使って猿の群れを捕らえる機器をつくります。その試みは大成功します。残るはカバを捕らえることです。怒り狂うカバを追跡し、数回の失敗のあと、ようやくカバを捕獲するのに成功します。

アンナは、ジーンが自分を一人の女だとしか思っていないと気になります。そしてポケットに手紙を託し,自分はアルーシャを去ることを伝えます。しかし、ジーンは彼女を愛していたので、二頭の子象を連れて、ジーンはアンナのいるホテルにやってきます。その昼下がり、二人は結婚を決めます。ジーンは初夜を迎える部屋を用意すると、そこに二頭の子象が飛び込んできて、部屋をメチャメチャにするのです。二人の驚きはいうまでもありません。