「北方有佳人 絶世独立 一顧傾人城 再顧傾人国」
「北方に佳人有り、絶世は独り立つ、一顧すれば人の城を傾け、再顧すれば人の国を傾く」
前漢の歴史を紀伝体で記した書。紀元後80年ころ作られたとあります。中国二十四史の一つです。漢書は一つの王朝に区切って書かれたといわれます。代々の王朝を通して描いたのが通史でその代表が「史記」といわれます。
「漢書」に外戚伝という、名前の通り家族や親族のことを記した文書があります。親に対する「孝」を重んじる儒教社会が中国。君主が人々に対する模範として、率先して母親やその親族に対して礼を尽くすべきことを記しています。そこに「傾城」の故事がでてくるのは興味あることです。
「傾城」とは、絶世の美女です。別名は「傾国」。もう一つは、太夫や天神など上級の遊女のことです。君主がその美しさに夢中になって、城を傾けて(滅ぼして)しまうというのです。色香におぼれて城も国も顧みないほどの美女、たとえば楊貴妃のような女性は、いつの時代にもいたのでしょう。「傾城」は別名、「契情」ともいわれます。音意共にうつした当て字です。
「傾城」にはいろいろなフレーズがあります。「傾城に誠なし」、「傾城に可愛がられて運の尽き」とは男性をおちょくるギャグです。
「傾城の恋はまことの恋ならで 金持って来いが ほんの恋なり」は、花魁や遊女の逞しさをうたっています。
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