私が知っている英語の略語 その三 「神様、やっと週末が来ました!」

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祝日が多い日本では、金曜日の捉え方が、欧米と較べて大きな意味があるとはいえません。ユダヤ教では土曜日が安息日なので、金曜日はその準備で忙しくなります。キリスト教では、東方と西方教会(eastern and western church)は断食の習慣があります。我が国では金曜日は週刊誌などの発行日となり、交通機関も週休二日に備え金曜日ダイヤを設定したりしています。若い人々にとって、金曜日がくると俄然張り切るものです。特にアメリカの学生はそうです。

TGIF:Thank God, it’s Friday!

 「やれやれやっと金曜日だ!ありがとう、、」というスラングです。週末の開放感を表すのに使われます。日本でいえば「花金」といった按配です。アメリカの大学生は「やっと金曜日が来たか、、」といって、週末のパーティなどを楽しみます。土曜日のフットボールの試合も待ち遠しいのです。そんな訳で、どの大学も金曜日の午後は授業は組まれません。金曜日だけは図書館も閑散となります。教授連中もヤレヤレ、という気分になるのでしょう。平日の詰め込み授業や課題で学生は忙しいのです。終活などをする学生はいません。

 前置きが長くなりましたが、TGIFの起源は1960年代です。最初に使ったのは1965年のニューヨークで設立されたレストラン「TGIフライデーズ」(T.G.I. Friday’s)です。この言葉が大衆化されたのは1970年に入ってからといわれます。現在、世界60ヶ国以上で992店舗を展開し「古きよきアメカ」をコンセプトとしています。日本の大都市にもこのカジュアル・ダイニングレストランが各地にできました。

 ついでですが「広告会社、男子寮のおかずくん」劇場版のオープニングソングがTGIFと名付けられています。ポップ歌手のケイティ・ペリー(Katy Perry) はT.G.I.F.について歌った「ラスト・フライデイ・ナイト」という曲を発売しています。曲は金曜日の夜にハメをはずしてしまう女の子のパーティソングでノリノリです、

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綜合的な教育支援の広場

旅のエピソード その35 「教育委員会の金曜日の午後」

旅には食べること、飲むことにまつわるエピソードが多いようです。旅先で1日中調査をしながら歩き回わるとおなかはペコペコになります。なにを食べようか、これがその日のご褒美です。特に夕食の楽しみは格別です。

同行した京都の校長先生とでシカゴ・オヘア空港側にある教育委員会で教育長にインタビュをしました。それが終わって地元の学校に案内されました。どの学校も自分たちのカリキュラムはいかに優れているかを自信たっぷりに語ります。自分たちはNO1だといってはばからないのがアメリカの校長です。その点、日本の校長は自分の学校が他の学校に比べて優れているなどと言わないのとは対照的です。

昼食時になり、教育長は近くのレストランに連れていってくれました。そこには、12名くらいの部下や管理職の教員が待っていました。ワインも飲んでいます。昼間からワインを飲むのは決して珍しいことではありません。午後の仕事に差し障りがあるのではと心配するのが日本人のサガのようなものです。

昼食が終わったのが午後2時過ぎ。その日は金曜日でした。気分はすでに週末の休暇が始まっています。”Thank God, it is Friday:TGIF”(神様、ようやく楽しみな金曜日がきました)という台詞があります。アメリカ人の間で金曜日に使われるフレーズです。それにしてもゆとりのある教育委員会の面々だな、と感心しました。管理職はいかに平日は懸命に働くかということを示すエピソードです。