アメリカ合衆国の州を愛称から巡る その6『Granite State』とカリフォルニア州 

合衆国の州のうちでは最大の人口を誇るのがカリフォルニア州(California)です。愛称は「花崗岩の州」(Granite State)、又は「黄金の州」(Goldden State)、州都はサクラメント(Sacramento)です。日本に近い州なので私はこれまで何度も行きました。この州はなにかと一番、あるいは世界的に有名なものが多いところです。例えば大統領選の選挙人数でカリフォルニアは最多の55人です。ロサンゼルスはハリウッドを抱えるなど、エンターテイメント産業の世界的中心地です。ベイエリア(Bay Area)にはシリコンバレー(Silicon Valley)が含まれ、全米で最も経済的に進んだ地域の一つとなっています。

Half Dome and Climbers

1846年にアメリカ-メキシコ戦争が起こります。この戦いに勝利したアメリカは、メキシコの領土であったカリフォルニアを手に入れます。アジアやメキシコに近いため、最も移民が多い州です。移民はそれぞれの居住区に固まる傾向が強く、「民族のサラダボウル」という形容がぴたりです。チャイナタウン(Chinatown)、コリアンタウン(Koreantown)、リトルトーキョー(Littletokyo)、リトルサイゴン(Littlesaigon)、リトルインディア(Littleindia)などが有名です。なかでも隣接したメキシコからの移民が多く、その中心はなんといってもサンディエゴ(San Diego)でしょう。

カリフォルニア州が1つの国家であるとすると、GDPではイタリアに匹敵します。合衆国のGDPの13 %を占めていて、このGDP額は世界の国と比較しても9位となっています。日本人に最も馴染みのあるのがサンフランシスコ(San Francisco)。サンフランシスコといえば、1937年に完工したのがゴールデン・ゲート・ブリッジ(Golden Gate Bridge)です。オレンジ色に塗られ歩行者や自転車も通ることができるので、湾を見下ろすパノラマのような景色が観光客に人気があります。私もここを一度往復で走ったことがあります。

世界一高い木が、オレゴン州(Oregon)との境に位置するレッドウッド国立公園(Red Wool National Park)にあります。「ハイペリオン」(Hyperion)と名付けられたセコイアメスギ(metasequoia)の木は高さ115.61メートル、直径4.6メートルです。樹齢は実に600~800年といわれます。「ハイペリオン」とはギリシャ神話に登場する巨人の名です。この木に近づくことが正式に禁止され、違反すると約65万円の罰金が科されるという代物です。デスバレー(Death Valley)という地帯は、1913年7月に世界最高の気温56.7°Cを記録したといわれます。文字通り「死の谷」と呼ばれ、州中部にあるモハーヴェ砂(Mojave Desert)の北に位置しています。

John Muir and Yosemite

3年前にヨセミテ国立公園(Yosemite National Park)で家族13人が集まって夏の休暇を楽しみました。この国立公園はサンフランシスコから車で約3時間半のところに位置しています。そそり立つ白い花崗岩の絶壁のセンチネルドーム(Centinel Dorm)、ハーフドーム(Half Dorm)はそれぞれ渓谷の底から約1,160メートル、1,470メートルの高さの壮大な岩山です。そこを流れ落ちる多くの巨大な滝、谷や木々の間を流れる澄んだ大小の川、樹齢2000年、80mを超える巨大なセコイアジャイアントセコイア(Giant Sequoia)の巨木の林など、生物学的な多様性が世界的に知られています。

世界一といえば、大学の質もカリフォルニアはその代表です。スタンフォード大学(Stanford University)、カリフォルニア大学バークレー校(University of California, Berkley)、カリフォルニア工科大学(California Institute of Technology)などです。どれも超難関の大学です。特に大学院教育や研究がすぐれ、多くのノーベル賞学者を輩出しています。