素人のラテン語 その四  ラテン音楽とラテン語

ラテン音楽とかラテン文学という言葉に出会うと、中南米(Latin America)の音楽や文学を想像するかもしれません。あながち間違いというわけではなさそうです。それを説明しましましょう。

ブリタニカ国際大百科事典によりますと、ラテン語は、スペイン語(Spanish)、ポルトガル語(Portugue)、フランス語(French)、イタリア語(Italian)、ルーマニア語(Rumanian)、カタロニア語(Catalan)といったロマンス諸語(Romance Languages)を生み出す母胎となる言語といわれます。

ヨーロッパは大雑把ですが、基本的にゲルマン系(German)、スラブ系(Slavic)、そしてラテン系の3つの言語で分けることができます。その中でラテン系に入るのが、フランス、スペイン、イタリア、ポルトガル、ルーマニアなどとなります。フランスやイタリアのことを「ラテン・ヨーロッパ」(Latin Europe) と呼んだりするのも、これらの国の言語がラテン語から生まれた事実に基づいています。

中南米諸国が植民地であった時の宗主国はポルトガルやスペインです。言語も含めた文化が、今でも中南米でしっかりと根付いてることから、これらの地域が中南米とか「ラテンアメリカ」と呼ばれているのです。「ラテン音楽」もそういうわけでスペイン語やポルトガル語の影響ということになります。ちなみに、ブラジルはポルトガル語が公用語、またその他の中南米のほとんどの国ではスペイン語が公用語となっています。ハイチはフランス語が公用語です。ラテン語が音楽にしろ文学にしろ、中南米諸国の文化の母胎となってきたのです。