英語あれこれ その15 ピディン・イングリッシュ(Pidgin English)

ヘブル語などの古典語から離れた話題である。自分は英語を勉強する過程でいろいろ苦い経験をし、冷や汗をかいてきた。それが今は良薬となったと断言できる。今回は語学を習得するときの心構えである。

ハワイの話だ。ハワイ流ブロークンな英語と標準英語を混ぜたのが、俗にいう「ピディン・イングリッシュ」(Pidgin English)。ハワイの人も会話が好きだ。訛りがあって郷土色がぷんぷんする暖かさが伝わる。

インド人の英語もピディン・イングリッシュと呼んで冷やかすことがある。独特の表現や機関銃のように速い発音は真似ができない。同時に、なにかを伝えようとする気持ちも伝わる。その気迫にはこちらがタジタジとなる位だ。恥も外聞もない、というのはこのことだ。彼らと会話していると、まるで文法などには無関心なところがある。伝えようとする意欲が伝わる。

実は日本人の英語もピディン・イングリッシュと呼ばれる。戦後、占領軍が基地のなかで話す日本人の英語をこのように揶揄したようだ。これが「Bamboo English」である。さらに朝鮮動乱のとき、日本から韓国に「輸出」されたのがこの英語であるという。確かに韓国人と我々の発音は似ている。

文法を思い出し文章を作ろうとする口から文がでてこない。単語を並べると相手には意味は通じる。日本語を母国語としない人に会うとき、彼らのたどたどしい説明でも理解できるのと同じだ。顔の表情、身振り手振りにもメッセージが現れくる。

ウィスコンシン大学での障害児の性教育の授業にでていたときだ。大教室だったせいもあり、なぜかいくつかの単語が聞き取れない。その単語の発音に慣れていなかった。辞書を持ち歩いていたのだが役に立たない。隣に女性が座っていたので、その単語のスペルを尋ねました。すると、私の辞書をめくってくれた。無言でここだと指示しました。はて、、、とみるとその単語のスペルは「penis」。授業中、その発音はピーニスときこえたのだ。彼女にThank youというので精一杯だった。自分もBamboo Englishを操る当の本人だった。

苦い経験をしたものだと感じ入っている。

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