アメリカの州鳥 その14 ウェストバージニア州の鳥:ショウジョウコウカンチョウ

Cardinal

ウェストバージニア州(West Virginia)は合衆国東部、首都ワシントンDC(Washington DC)から内陸に入ったところに位置します。州都および最大都市はチャールストン(Charleston)です。北はペンシルバニア州(Pensilvania)、北東はメリーランド州(Maryland)、東南がバージニア州(Virginia)、北西にオハイオ州(Ohio)、西部にケンタッキー州(Kentucky)の5つの異なる州と接しています。産業としては石炭、硝酸、石灰、岩塩などが採掘されています。

Cardinal on a branch in a snow storm

ウェストバージニア州は、残念ながら日本ではあまり知られていない州ですが、雄大な自然と治安のよさは知られています。アパラチア山脈(Appalachian Mountains)に位置し、国内で最も荒涼としているといわれる地形が広がっています。州内全域に広がる起伏の多い山々と、丘や渓谷に囲まれていることから、「山岳の州」(Mountain State)という愛称がついています。

絵画のような美しさで人気のあるシェナンドー国立公園(Shenandoah National Park)は、アメリカ南東部で初めて設立された国立公園です。ブルーリッジ山脈(Blue Ridge Mountains)やシェナンドーバレー(Shenandoah Valley)を見渡せる絶景ポイントが 沢山あります。ハイキングコースも豊富で、難易度や地勢がさまざまに異なるコースですが、600 キロメートル以上の鉄道の線路が、ウォーキング、ハイキング、サイクリング、乗馬のためのトレイルに生まれ変わりました。

州の鳥は、ショウジョウコウカンチョウ(Northern Cardinal)です。公園や郊外の庭園でも見られ、餌台にもよく集まります。種子、果実、花、植物の芽、昆虫等を食べますが、ヒマワリやベニバナの種子をよく食べます。オストメスとも特徴的なとがった冠羽があります。オスの頭と下面は深い朱色です。背はにぷい朱色で羽縁がオリーブ色がかった灰色です。尾と翼はにぷい赤色であごと嘴の付け根付近が黒色です。ローマカトリック教会の枢機卿はCardinalと呼ばれます。枢機卿の法衣と帽子が深紅であることからこの鳥に名付けられています。

アメリカの州鳥 その13 ウィスコンシン州の鳥:コマツグミ 

    Robin

私と家族にとっての故郷、ウィスコンシン州(Wisconsin)は、東側はミシガン湖(Lake Michigan)に、北東はミシガン州に、西側はミネソタ州(Minnesota)とアイオワ州(Iowa)に、南側はイリノイ州(illinois)に、北側はスペリオル湖(Lake Superior)に接しています。州都はマディソン(Madison)で人口最大の都市はミルウォーキー(Milwaukee)です。愛称は「America’s Dairy Country(酪農の国)」または「The Badger State(バジャー:あなぐま州)」と呼ばれています。バジャーは州のシンボルとなっています

ウィスコンシン州の主要産業は製造業、農業であり、製造業は農業よりはるかに生産高が大きいのですが、ここは農業の州とか酪農の州と見なされています。ウィスコンシンと言えば乳牛の牧畜で有名で酪農祭り等の催しものが多いのが特徴です。チーズやミルク等の酪農製品が名産で、チーズの生産高では国内の約4分の1を生産しており、全米第1位となっています。

ウィスコンシン州にもいろいろな観光地があります。ヨーロッパからの移民が多く、そうした人々が移住して開拓した町がいくつかあります。マディソンの近くのニューグレラス(New Glarus)にはスイス村(Little Switzerland)、ブルーマウンズ(Blue Mounds)という村はにはリトルノルウェー(Little Norway)という記念館があります。ストートン(Stoughton)はノルウェー系の人々の街となっています。五月の第二日曜日はノルウェーの独立記念日となっていて街中が祝います。

コマツグミの英名は「Robin」といういい響きです。 市街地周辺から山岳地まで広く生息し、ミミズや昆虫、カタツムリなどを捕食します。 樹上、地上、建物などに小枝や草を用いて椀型の巣を作ります。 澄んだ高い声で鳴きます。 胸から体下面全体が赤橙色で、下から見上げると真っ赤な色に見えることがあります。頭部から翼にかけては灰色~黒色をしています。くちばしが黄色で眼の上下に白い縁取りがあります。オスは頭部がはっきりと黒く、のどまで黒くなっています。メスは頭部の色がオスに比べやや薄く、のど元が白っぽい特徴を持っています。

アメリカの州鳥 その12 インディアナ州の鳥 ショウジョウコウカンチョウ

インディアナ州の州都はインディアナポリス(Indianapolis)です。インディアナ州はミシガン湖(Lake Michigan)とオハイオ川(Ohio River)の間に南北に延びる州です。この州の人々の呼び名はフージャー(Hoosier)といいます。イングランドのカンバーランド(Cumberland)地方の方言で高地人を指すHoozerが語源といわれます。「開拓民」とか「奥地の人」という意味だそうです。恐らくカンバーランドから入植した人々が自分たちをHoosierと呼んでいたから、この名がついたのでしょう。

Cardinal

インディアナはCorn Beltと呼ばれるウモロコシの農場が広がります。トウモロコシは養鶏や養豚の飼料となります。飼料は世界中に輸出されています。アメリカは穀物市場を押さえています。その中心がインディアナということです。大豆、鶏卵、メロン、トマト、ブドウ、タバコ、ハッカの生産も盛んです。インディ500(Indy500)はご存知でしょうか。5月末の戦没将兵追悼記念日であるメモリアルデー(Memorial Day)の前日の日曜日に開かれれるモーターショーです。スピードウエイを805kmを時速360Kで走るのです。

州鳥ですが、前回のイリノイ州と同じショウジョウコウカンチョウ(Cardinal)です。別名はカーディナルといいます。Cardinalは、カトリックの最高聖職者である枢機卿Cardinalis)に由来し、枢機卿は真紅の衣をまといます。「カーディナル(枢機卿)」は「赤」の代名詞となっているのです。合衆国では冬期には、都市公園などでも見られます。アメリカ国民に最も愛されている野鳥の一つで、全長約20㎝。体重は約50g位です。 オスは光沢のある赤色、メスは体が褐色で、冠羽と翼、尾羽は赤みがかっています。 オスは成熟すると共に赤みが増していく実に綺麗な鳥です。

アメリカの州鳥 その11 イリノイ州の鳥 ショウジョウコウカンチョウ

イリノイ州(Illinois)の州都はスプリングフィールド(Springfield)。金融の世界的な中心シカゴ(Chicago)もイリノイ州に位置しています。東はインディアナ州(Indiana)、南東はケンタッキー州(Kentucky)、西はミズリー州(Missouri)とアイオワ州(Iowa)、北はウィスコンシン州(Wisconsin)、北東にミシガン湖(Lake Michigan)があります。

Cardinal

ミシガン湖とミシシッピー川(Mississippi Rive)を結ぶ運河により水運が効率になります。陸上では合衆国の交通の要所で鉄道網が発達しています。空運の大中心地がシカゴのオヘア空港(O’ Hare)、工業、農業、金融業、運輸、サービス業などの多様性は合衆国経済の縮図となっています。イリノイには「リンカーンの地 (Land of Lincoln)」という州の公式スローガンがあります。イリノイからは、共和党員のアブラハム・リンカーンの他に民主党員のバラク・オバマ(Barack Obama)が合衆国大統領となっています。シカゴのダウンタウンにシカゴ美術館 (Art Institute of Chicago)があります。是非立ち寄りたいところです。

イリノイ州の土壌は分厚い黒土層でおおわれ、農業に適した肥沃な州で知られています。世界有数の穀倉地帯でもあります。農地は州面積の80%を占め、大豆は全米第一位、トウモロコシはアイオワと同じ一、二位を争っています。

イリノイ州の鳥はショウジョウコウカンチョウ(Cardinal)です。アメリカの東部から中部、南部それにメキシコが原産です。カリフォルニア州にも広がり、その分布域を広げています。林縁や低木帯、人家の周りの茂みなどに生息します。体長は20センチ前後でオスは黒い顔をのぞいて全体が赤色で、メスは淡褐色から淡い緑褐色をしています。頭部に尖った冠毛があり、くちばしは円錐形で橙赤色です。いろいろな種類があり18亜種が確認されています。主にメスのフェースマスクの色で区別するそうです。植物の種子や穀物、果実、昆虫などを餌にしています。一年中さえずりますので人々に親しまれている鳥です。

アメリカの州鳥 その10 アリゾナ州の鳥:サボテンミソサザイ

      Sedona

アリゾナ州(Arizona)は北をユタ州(Utah)、東をニューメキシコ州(New Mexico)、南をメキシコ、西をカリフォルニア州(California)とネバダ州(Nevada)に接しています。もともとはメキシコの一部でしたが、アメリカ・メキシコ戦争の結果、1863年にアリゾナ準州として分離され、後の1912年に48番目の州となります。首都はフェニックス(Phoenix)で、その他にツーソン(Tucson)といった都市もあります。

フェニックスは、20世紀前半からニューディール(New Deal)政策によるコロラド川(Colorado River)の電源開発、多目的ダムであるフーバーダム(Hoover Dam)の開発によって、無尽蔵の電力を供給、軍事産業に関わる航空機産業や電器機械工業が発展し、また観光都市としても発達しています。フェニックスは砂漠のど真ん中に都市が形成されているため、夏の暑さは厳しいこの地ですが、冬は避寒地として人気で多くの人々がやってきます。郊外にあるサンシティ(Sun City)は、退職後の人々が暮らす地域で有名なリタイアメント・コミュニティー(Retirement Community)があります。

    Cactus Wren

アリゾナといえばグランド・キャニオン(Grand Canyon)の右に出るものはありません。コロラド川による浸食作用で削り出された大渓谷です。州のニックネームは”Grand Canyon State”となっています。フェニックスより車で2時間のところにセドナ(Sedona)という観光地があります。グランド・キャニオンに次ぐ観光地で、個性的な形をした赤い砂岩の岩山で知られ、霊性溢れるパワースポットといわれます。兵庫教育大学の院生8名とで学校訪問のついでにセドナを楽しみました。

州鳥のサボテンミソサザイ(Cactus Wren)のことです。羽の色は褐色で黒と白の斑点があります。目の周りが白く、胸も白いのが特徴です。オスとメスは同じ形をしています。。サボテンの生息している乾燥地帯で生活する鳥で、サボテンに留まっても平気です。長くて鋭いクチバシはサボテンに住む昆虫を突いて食べることができます。 また捕食者に襲われたらサボテンに避難したり、巣をサボテンの隙間に作って卵を守ったりします。つがいは生涯寄り添います。早春に繁殖期を迎え、サボテンの隙間に営巣します。 これにより捕食動物は卵を狙って巣に近づくことはできません。

アメリカの州鳥 その9 アラバマ州の鳥:ハシボソキツツキ

Northern Flicker

アラバマ州(Alabama)は、合衆国の黒人と白人の間の平等を実現する闘いにおいて、大きな役割を果たしたことでも知られています。マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師(Rev Martin Luther King, Jr)が説教をし、行進をし、歴史を変えたのは他でもないこのアラバマ州です。州都はモンゴメリー市(Montgomery)は、ローザ・パークス(Rosa Parks)という女性が白人男性にバスの座席を譲ることを拒み、人種隔離政策に異議を申し立てことで有名です。

1955年に起こったパークス逮捕事件がバス乗車拒否などの運動に広がり、公民権運動が高まります。この動きでアメリカ合衆国議会により、1964年の公民権法と1965年の選挙権法成立に繋がります。その後も長い間、公民権運動は続きます。人種差別というのは法律とか規制によっては、なかなか払拭できないのです。歴史とか時間というものは、そう容易く作りかえることは難しいのです。2020年も黒人射殺とか逮捕事件が続いています。

アラバマ州のハンツビル(Huntsville)には、宇宙ロケットセンター(U.S. Space & Rocket Center)のあります。アラバマ州の南端は、モービル湾(Mobile Bay)とガルフコースト(Gulf Coast)のビーチがあることでよく知られています。モービルは、アメリカのマーディグラ(Mardi Gras)発祥の地です。マーディグラとはカーニバルのことです。アラバマ州はディープサウス(Deep South)とも呼ばれ、合衆国南部の地理的、文化的な中心州となっています。

州鳥のことです。ハシボソキツツキ(Northern Flicker) は、キツツキ科の鳥で、耕地や市街地の公園などにも生息します。主食はアリで粘りけのある舌を使ってアリを引き出します。嘴は長くとんがり、草木の実や甲虫・コオロギなども食べ、ときには空中捕食も行います。巣は枯れ木に穴をあけて作り、白色卵を1-2個産みます。上面は褐色で黒っぼい横縞模様があります。オスの口許には赤い縞が走っています。襟元には黒い三日月の縞がついています。下腹には黒い斑点がある優雅な姿をしています。

アメリカの州鳥 その8 アラスカ州の鳥:カラフトライチョウ

アリューシャン列島 (Aleutian Islands) を含む北アメリカ大陸北西の端にあり、面積としては合衆国では最大の州です。合衆国本土とはカナダを挟んで飛地になっています。東はカナダ、北は北極海、西と南は太平洋と接し、西のベーリング海 (Bering Sea) を隔ててロシアと海上の国境を有しています。

アメリカ合衆国の一部としてのアラスカ(Alaska) の歴史は1867年に始まります。この年4月、アメリカ国務長官のウィリアム・スワード (William H. Seward) が720万ドルでロシアより購入します。「巨大な冷蔵庫を買った男」などと非難されたのですが、その後豊富な資源が見つかったり、冷戦中はラスカが国防上重要な役割を果たすことになり、現在ではスワードの手腕は高く評価されています。

        Willow ptarmigan

野生生物の宝庫がアラスカといわれます。ハクトウワシ (Bald eagle)が何百羽も集まり、ムース(moos) が交通渋滞を引き起こし、数百万匹のサケが川で産卵します。1958年7月7日、大統領ドワイト・アイゼンハワー(Dwight D. Eisenhower)はアラスカを連邦に加えることを認めるアラスカ州法にサインし、1959年1月、アラスカは連邦の49番目の州となりました。州の愛称は”The Last Frontier”(最後のフロンティア)となっています。

カラフトライチョウ (Willow ptarmigan)がアラスカの州鳥となっています。キジ科の鳥です。体長15–17 インチ のライチョウであり、ヤナギの間やツンドラと湿地で生活します。夏は褐色・冬は純白と季節によって羽毛の色が変化するのが特徴です。冬は羽毛の中に空気をたっぷり蓄えて体温を逃さないようにしています。春は黒い羽毛が混じりはじめ、オス個体では目の上には赤色の肉冠が見えます。メスには肉冠はありません。羽毛は軸が2つに分かれその軸に突いた細かい羽毛の密度が高いため、空気をたくさん含むことができるのです。縄張りを大事にする鳥です。

アメリカの州鳥 その7 アーカンソー州の鳥:マネシツグミ

Mockingbird

アーカンソー州 (Arkansas)は大陸の合衆国中西部に広がる堆積平野のグレートプレーンズ(Great Plains)とメキシコ湾岸(Gulf of Mexico)の間にあります。雄大な山の景色と澄みデルタ地域は、アフリカ系アメリカ人からもたらされた楽曲、ブルース(Blues)が生まれ、ジョニー・キャッシュ(Johnny”Cash)のジャズやフォークの発祥の地です。同じくアーカンソー州出身のビル・クリントン(Bill Clinton)元大統領もこの州の出身です。キャッシュとクリントンの功績を称えるスポットは今でも見て回ることができます。アーカンソー州は世界有数の米作地帯でもあります。

Gal‡pagos Mockingbird, Mimus parvulus, on Santa Cruz Island, Galapagos Islands, Ecuador

アーカンソー州で有名なのは、緑豊かなオザーク山地(Ozarks)と断崖絶壁の間を流れる広大な川です。異常気象でも知られていて。通常年には雷雨、竜巻、雹、雪、氷雨がみられるようです。雷雨は年間60日ほど記録されています。1957年にアーカンソー州のリトルロック(Little Rock)で起こった人種差別騒動が有名で、アメリカ公民権運動における重大事件の一つとなっています。

アーカンソー州の鳥はマネシツグミ(mockingbirds)です。他の鳥類や哺乳類、物音などを声真似することから「マネシツグミ」と呼ばれます。面白いことです。世界中に広く分布しています。アメリカ大陸では見られるのは「northern mockingbird」です。色は比較的地味でムクドリに似ています。「mocking」とは、「ふざける」、「いらいらさせる」、「あざける」という意味です。

アメリカの州鳥 その6 アイダホ州の鳥: ムジルリツグミ

Mountain Bluebird

アイダホ州(Idaho)は、アメリカ合衆国北西部のロッキー山脈(Rocky Mountains)にある州です。州の北はカナダ国境のブリティッシュコロンビア州(British Columbia)に接し、東はモンタナ州(Montana)とワイオミング州(Wyoming)に、西はワシントン州(Washington) とオレゴン州(Oregon)に、南はネバダ州(Nevada)とユタ州(Utah)に接している内陸の州です。

州の大部分が山岳地帯の州であり、面積では全米50州の中で14位。アメリカ北東部のニューイングランド(New England)地方の面積よりも広く、農業と共に林業、鉱業が盛んな州です。近年は自然を活かした観光業なども州の大きな収入源になっています。州都および最大都市はボイシ(Boise)です。

かつて琉球の那覇市で幼児教育をしていたとき、公設市場で巨大なジャガイモを見ました。袋には
“Idaho Potato”とありました。私がアイダホを知ったきっかけです。ジャガイモは、もともとは南アメリカのアンデス山脈あたりが原産です。コロッケやポテトチップスなどの加工食品にもされ、ビタミンCやカリウムなどの豊富な栄養を含む特徴があります。メークイン、男爵、農林一号などのジャガイモも北海道で栽培されています。

アイダホ州の鳥は「ムジルリツグミ」(Mountain Bluebird)です。ツグミの仲間です。全長約18cm、翼開長約36cm、体重約29gくらいです。オスは目の覚めるようなうす青い羽根ですが、メスは灰青色の少し地味な姿です。春頃から彼らは求愛活動を始めますが、メスがオスを選ぶ基準は羽根の色でも鳴き声の美しさでもなく、しっかりした巣を持っているかだそうです。ナバホ族(Navajo)の伝説では、朝日をつかさどる妖精の化身とされています。

アメリカの州鳥 その5 アイオワ州の鳥:オウゴンヒワ

American Goldfinch

前置きが長くなりました。いよいよ50州の鳥の紹介です。州名はあいうえお順に紹介することにします。最初はアイオワ州(Iowa) の鳥です。アイオワ州はアメリカ大陸、中西部(Midwest)に位置し、「アメリカのハートランド(Heartland–中心地)」と呼ばれています。その州都で人口最大の都市はデモイン(Des Moines)です。「アイオワ」という名前はヨーロッパ人がこの地域を探検した時代に、数多く住んでいたインディアン部族の中のアイオワ族からとられました。

Iowa and corn field

アイオワ州法によって、アメリカ合衆国大統領選挙の前哨戦である大統領候補指名党員選挙(caucus)を全国に先駆けて行うことが定められています。したがって、アイオワ州党員選挙は大統領選挙の初戦として位置付けされ、大統領選挙の際には大きく注目されています。なお、アイオワ州党員選挙にて敗北した候補者が大統領に就任した例は少なく、「アイオワを制する者が大統領選挙を制する」とも言われています。

アイオワ州の北側はミネソタ州(Minnesota)、東側はミシシッピー川(Mississippi River)を挟んでウィスコンシン州(Wisconsin)です。南はミズリー州(Missouri)、西側はネブラスカ州(Nebraska)です。アイオワを探検し開拓を始めたのは1673年にミシシッピ川の探検をしていたケベック出身のフランス人ルイ・ジョリエ(Louis Jolliet)と、彼と行動を共にしたフランス人宣教師ジャック・マーケット(Jacques Marquette)です。アイオワ州は平原が広がり「コーンベルト(corn belt)」と呼ばれてもいます。トウモロコシの生産で全米一なのです。ということは世界一かもしれません。そのような訳で、「世界の食糧の州」とも呼ばれます。

アイオワ州の鳥の代表、オウゴンヒワ(American Goldfinch)は、米国中西部、東海岸のニューイングランド(New England)、カナダでみられるスズメ目アトリ科の鳥で、体長は約14cmです。藪、草原、二次林などに生息します。雑草の種子や芽、昆虫などを食べます。枯草などを集めて椀型の巣を造ります。名前が示すとおり、オウゴンヒワオスはとても鮮やかなレモンイエローで美しい。繁殖期のオスの黄色は輝くような黄金色です。この際だった色がこの鳥の英名・和名の由来です。他方、メスは、羽色が全体に茶色、上面はオリーブ褐色で、頭頂の黒色部分がありません。鳴き声は高くチッチッチッととても心地よく響きます。

オウゴンヒワの巣はオーソドックスな形である浅いカップ型の巣を木の又の部分などに作ります。冬になると大きな群れを作り、群れで生活するようになります。生息地域によっては冬になると渡り鳥のように南の地域へと移動するという特徴があります。