消費税は預かり金か?

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今各党は消費税減税とか廃止、あるいは食料品消費税ゼロということを提案しています。消費税って分かっているようですが、調べると結構難しいものです。消費税とは、まず事業者が適正な価格を決め、それに8%とか10%の税をかけて、それを私たちが払っていると思いがちです。品物を購入したときや、サービスを受けたりするときに受けとるレシートにはそう書いてあるから仕方ないことです。

 しかし、法律上、消費税は事業者に対して課税される税金となっているのですが、一般の感覚では事業者が消費者から「預かった税金を納めている」ように感じられます。 取引上、事業者は価格に消費税相当額を「転嫁する」ため、消費者が負担する構造になっています。このからくりは、消費税という名称があたかも消費者が負担する税と思わされていることにあります。もともと消費税とは売上税とか付加価値税というのが正しいといわれます。付加価値税とは、売上から仕入額を差し引いた額に対して課される間接税です。

小田原青色申告会より引用

 1989年にスタートした消費税は当初の3%から現在は10%まで上がりました。所得にかかわらず均等に税金がかかる点で、公平なように見えて望ましくない制度のように感じます。つまり貧乏人も金持ちも、一律8%や10%の税金を払うのが消費税です。ちなみに所得税は基本的に累進課税ですが、一部の所得は累進課税の対象外です。それが株式や公募株式投信の売買益への税で分離課税といわれます。分離課税は一定の低い税率が適用されるため、高所得者にとっては税負担が少なくなるのです。

Instagramより引用

 消費税の計算方法は大きく2段階となっています。第一は、消費者から受け取った「売上にかかる消費税」を計算するやり方です。例えば、税率10%で税込価格 1,100円としますと、売上に含まれる消費税は、1,100 ÷ 1.10 = 1,000(税抜)ですから、〔1,100 − 1,000 = 100円〕が消費税となります。第二は、〔売上消費税 − 仕入れ消費税(控除)= 納税額〕という式です。これは飲食店などが食品を仕入れル時に支払う税から売り上げの時に払う税を差し引いて納税する場合があてはまります。自分が仕入れ時に支払った消費税を差し引いて申告するのです。つまり、〔納税額 = 売上に含まれる消費税 − 仕入れに含まれていた消費税〕という式です。例として、売上に含まれる消費税が100万円として、仕入れで支払った消費税が70万円としますと、〔100万 − 70万 = 30万円〕が納税額となります。これは税が二重三重に累積しないようにしているからです。

 ここで消費税が減税とか廃止になったとしますと、品物の価格は下がるのでしょうか。現行の加工食品含む軽減税率は8%ですが、0%になれば税込価格が8%下がるのが原則です。しかし、加工食品含むメーカーや小売店が、ゼロ税率分をそのまま価格に反映しないケースが想定されます。その理由は、原材料価格、人件費や輸送費の高騰などの理由で据え置くとか、さらに小売店の競合状況により業者によって価格の設定が違ってくるからです。価格というのは市場が決めるのです。ゼロ税による実際の値下がり幅は不確定であると考えたほうがよいようです。私たち消費者は、価格については蚊帳の外にあるのです。特に食料品の消費税0%、いわゆる非課税取引となると、小さな飲食店のラーメン店とか蕎麦店の多くが経営不振に陥るといわれます。この理由は別な稿で説明します。

 財務省のページから国の収支をみますと消費税収入は24兆円で、これは社会保障の財源として徴収されていると言われることが多いのですが、実際にはその多くが輸出企業への33兆円の輸出還付金として流れており、社会保障には一部しか使われていないことが判明しています。輸出還付金の仕組みは、ここでは取り上げませんが、もし消費増税が起こるとすれば、国民の可処分所得を減らすことになります。可処分所得とは、収入から税金や社会保険料といった支払い義務のある費用を差し引いた後、自由に使えるお金のことです。増税によって私たちは買え控え、消費を冷え込ませるのです。これが日本の経済成長を妨げる最大の要因の一つであるといわれています。

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