懐かしのキネマ その50  【グリーンマイル】

【Green Mile】という作品は、アメリカで起こった世界恐慌(Great Depression) の1930年が舞台です。ルイジアナ州(Louisiana)の刑務所死刑囚棟でポール・エジコム(Paul Edgecomb)は看守を務めています。そこに一人の大男の黒人ジョン・コフィー(John Coffey)が送られて来ます。双子の少女を強強姦殺人したという容疑で死刑を宣告されたジョンは、その風貌や罪状に似合わないほど弱く、繊細で純粋な心を持っていました。いかつい外見に反して純真な心を持っていたジョンには触れるだけで人の病を治してしまう不思議な力がありました。

電気椅子に向かうコフィ


ある時、コーフィは局部を掴んだだけでポールの重い尿路感染症を治してしまうのです。彼はその後も、看守の1人、パーシー (Percy Wetmore) に踏みつけられ瀕死の重傷を負わされたネズミの命を救い、これを見た看守たちは、コーフィは不思議な力を神から授かった特別な存在なのではと考え始めます。同時にポールは、コーフィが電気椅子に送られること、それを行う自分たちは大きな過ちを犯しているのではないかと悩み始めます。

しばらくして、“ワイルド・ビル(Wild Bill)という凶悪な死刑囚が送られてきます。コーフィは刑務所所長のハルの妻・メリンダ(Melinda)から吸い取った病気をすぐに吐き出さず、パーシーに移します。パーシーは錯乱状態となってビルを銃殺し、まもなく精神病院に送られます。それからコーフィはポールの手を取って双子の少女の殺人事件の真相を伝え、ポールはビルが双子の少女を殺害した真犯人だったと知るのです。

しかし、コーフィの冤罪を覆す証拠は存在せず、死刑執行が決定されます。ポールたちはコーフィに脱獄を勧めるのですが、「世界中で、今も愛を騙って人が殺されている」「毎日のように、世界中の苦しみを感じたり聞いたりすることに疲れたよ」と言いコーフィはそれを拒否して死ぬことを選びます。数日後、コーフィは電気椅子に送られポールの手で処刑されます。