アメリカ合衆国とニックネームの由来 その44 The Lone Star State

8月の終わりにハリケーン、ハーヴィ(Harvey)が南部テキサス州(State of Texas)に上陸し、最大都市であるヒューストン(Huston)は未曾有の水害に見舞われました。日本の国土の1.8倍、アラスカ州(Alaska)に次ぐ広さがあるのがテキサス州です。リオ・グランデ川 (Rio Grande) は州の北西から南東に流れメキシコ湾(Gulf of Mexico)に注ぎます。豊かな穀倉地帯を形成しています。Rioとはスペイン語で川を意味です。「Texas」はカド族(Caddo)の言葉である「 tejas」に由来し、「友」とか「仲間」を表します。

17世紀末、スペイン人がカド族、アパッチ族(Apache)、チョクト族(Choctaw)、トンカワ族(Tonkawa) などのテキサスの土地に進出し、18世紀にはサンアントニオ(San Antonio)などにスペインの布教砦や城塞がつくられます。その後合衆国によるルイジアナ購入による領土の拡大により、メキシコとの戦争が起こります。アラモ砦(The Alamo)などの戦闘の後に、1836年にテキサスは連邦に編入されます。こうした独立への強い気性を指して「テキサス魂(Texas In My Soul)」というフレーズもできます。

テキサス州のニックネームは「The Lone Star State」という少々変わった名称です。「テキサス魂」とか「アラモ砦の州」という名ではありません。テキサス共和国時代から使用されている白い星を一つあしらった州旗に由来しているとあります。州都はオースティン(Austin)、ヒューストン、サンアントニオ(San Antonio)が続きます。

経済は綿花、牧畜、石油が中心です。西部は鉄道の発達で牧畜業が急速に盛んになります。1901年、ビーモント( Beaumont)付近のスピンドルドック(Spindletop)という油田が発見され、全米一の産油地となっています。油田はメキシコ湾外沿いに多く、石油精製、石油化学を中心に多種の工業も盛んです。1956年に制作された映画「ジャイアンツ」(Giants)は牧畜と石油産出を巡るテキサスの発達や人種問題を扱った名画です。主演者にはロック・ハドソン(Rock Hudson) 、エリザベス・テイラー(Elizabeth Taylor) 、ジェームズ・ディーン(James Dean)がいました。日本でも知られた懐かしい俳優です