懐かしのキネマ その47 【誰がために鐘は鳴る】

1943年にゲイリー・クーパー(Gary Cooper)とイングリッド・バーグマン(Ingrid Bergman)が主演した映画です。原作は1940年にアーネスト・ヘミングウェイ(Earnest Hemingway) が発表した長編小説【誰がために鐘は鳴る】(For Whom the Bell Tolls)で、それを映画化したものです。

1936年7月、フランコ将軍(Francisco Franco) の率いる右派将軍たちの反乱をきっかけにスペイン内戦(Spanish Civil War) が勃発します。地主、貴族、資本家、カトリック教会などの保守勢力が反乱軍を支援したため、この反乱はスペインを二分するスペイン内戦に発展します。その後、フランコは枢軸国のドイツやイタリアの支援を受けて共和国派=反ファシスト (anti-fascist) の政府勢力と戦い、最終的に反乱を成功に導きます。

この内乱下のスペインで反ファシスト軍の一員としてスペイン内戦に参加したのが、カレッジでスペイン語を教えるアメリカ人ロバート・ジョーダン(Robert Jordan) です。内乱によって自由と正義が脅かされるのを黙認できず、共和国派の義勇軍に身を投じ、ゲリラ隊を(guerrillas)率います。敵の輸送路を断つために戦略上重要な橋梁を爆破する任務を背負います。

共和国派の村長を父にもったスペイン娘がマリア(Maria)です。暴徒のために髪を刈り取られ凌辱されますが、ジプシー(gypsy) の仲間に救われ、やがてロバートに情熱を寄せ二人は恋に落ちるのです。山中の洞窟にひそむジプシーの頭目がパブロ(Pablo) です。寄る年とともに、弱気になり我が身の安全ばかりをはかり、ロバートと反目します。パブロの妻はピラール(Pilar) といい、熱烈な共和派の支持者で陽気なジプシー女です。進んで銃をとりゲリラ戦に加わります。夫に代わってジプシーの頭目となります。

ロバートはゲリラ作戦を進めていくうちに、敵の作戦が変更となり、自分の任務である橋梁の爆破が無意味になることを知るのです。しかし連絡の不備から作戦は中止されず、彼は爆破が無駄になることを知りながら橋梁を爆破し、瀕死の重傷を負い、マリアらの仲間を逃がして士官に率いられた反乱軍の一隊を待ち伏せます。