1981年に最高裁判例がでました。それは、N自動車における女子若年定年制事件に対してです。これは、「男女別定年制を定めた就業規則は、専ら女子であることのみを理由として差別したことに帰着するものであり、性別のみによる不合理な差別を定めたものとして民法90条の規定により無効である」というものです。男女差別は「公序良俗」に反するというものです。
「公序良俗」とは、公の秩序,善良の風俗の略語です。公の秩序とは国家社会の秩序を主眼とし,善良の風俗とは社会の一般的道徳観念を主眼としていわれることといわれます。両者をあえて区別するまでもなく、要はある行為の社会的妥当性のことを「公序良俗」と呼ぶのです。
男女別定年制という法律行為は、公の秩序又は善良の風俗に反するので無効だと最高裁は判断したのです。今ならとっくに違法とされる内容ですが、35年以上も前は男女の差別は酷かったということです。時代と共に公序良俗の観念と実態は変化します。
公の秩序は社会の一般的秩序であり、善良な風俗とは社会の一般的道徳観念を指すと解釈されています。法律や政治的行為というのは社会の一般的な秩序、または社会の一般的な道徳観念に適合していなければなりません。「公序良俗」の原則、特に公序は今回の都知事の公金流用にも照らすべきことです。
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